Unlocking the potential within you ―― 学び続ける人のそばに

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Vol.538 2025.01.14

対談 公文式指導者×KUMON(後編)
~指導者の想い~

公文式は“いつでも だれでも どこででも”
可能性を信じて学ぶ人に寄り添い続ける指導者と共に

公文式の創始者である故・公文公(くもん とおる)がわが子のために計算問題を手づくりしたことから始まった公文式。「この方法で、一人でも多くの子どもたちの可能性を伸ばしたい」と、人から人へ、街から街へと広がり、世界の国々に広がっています。そこには、創始者の想いを脈々と受け継ぎながら「目の前の子どもたちの可能性を引き出したい」と、よりよい指導法を追求し学び続ける指導者がいます。指導歴45年の公文式指導者 金光照子先生の公文式和田三丁目教室で、KUMON広報部長の景山と対談を行いました。後編では金光先生のお教室の卒業生や保護者さまとの交流について、そして指導者としてのメッセージを聞きました。

目次

    公文式 和田三丁目教室 指導者
    金光 照子(かねみつ てるこ)

    東京都出身。芦屋市と千代田区で幼稚園の教諭を務めたのち子育てに専念。公文式指導者募集の説明会にて公文式と出合う。公文式の創始者と直接親交があり、乳幼児指導に熱心に取り組んできた。KUMONが会員保護者向けに発行していた家庭教育情報誌『Capable』に連載されていた“公文会長「公文式」を語る”シリーズに1994年に登場。幼児教具の開発にも携わってきた経験もあり、全国各地、海外での公文の指導者向け講座の講師も務めた。

    公文教育研究会 広報部長
    景山 忠男(かげやま ただお)

    1993年入社。国内教室事業に30年以上携わり、国内4地域でジェネラルマネージャー・リージョナルマネージャーを歴任後、2023年7月より現職。

    公文の教材は大学レベルまである
    公文式はいつでも、だれでも、どこででも

    景山:金光先生が保護者の方と接する際に、心掛けていることをお聞かせいただけますか。

    金光照子先生

    金光:体験学習に来られた方には、入会する前によく検討してくださいね、と伝えます。言葉では言いませんが「やるからにはしっかり続けていただきたい」という想いで接しているからです。

    そろばんと公文で迷っている保護者さまには、公文とそろばんを比べるのではなく「分数計算になったときに公文は威力を発揮するので、もしよかったらご一緒しましょう」と、公文の特長をお伝えします。頭ごなしに比べるのではなく、公文の成り立ちや教材の話をします。

    公文の教材は大学レベルまで揃っています。孫の話になりますが、大学入試のとき「受験勉強に煮詰まっちゃったから公文のプリントをやりたい」と言って、さらさらさらと解いて「ああ、すっきりした」と言って入試の勉強に戻っていきました。孫も最終教材までやりましたが、大学生のあるとき、「(大学課程の)○○関数の教材ある?」と言ってきて、大学の勉強に公文の教材で復習したいからと教室に見に来たことがありました。

    孫以外でも、栄養士さんの資格を取るために学びたい、税理士さんとか公認会計士さんとか資格試験のために数学を復習したいと、大人の方も学びに来ます。大人になっても、また学び直せる公文は、まさに一生涯学べるという強みがあります。公文の教材とはそういう教材。教材のすばらしさに確信を持って指導者をやっています。

    景山

    教室に通う生徒の保護者は海外赴任になる方も多いのですが、海外に行っても通信学習の形式で公文を学習し続けてくれています。先日もオーストラリアに教材を送ったばかりです。これまでも、海外に行かれた多くの生徒たちが公文を続けてくださいました。公文式は、いつでも、だれでも、どこででも学べて、どんなときでも教室ではWelcomeです。

    景山:いつでも、だれでも、どこででも。唯一無二の公文の特長をわかりやすく言い表していますね。他にはない特長であり、強みではないかと思います。そして、人の可能性を信じ、子どもや学習する人を自立に導く指導者の存在も唯一無二だと私は確信しています。

    金光:小学校受験は小学校受験のための受験塾、中学受験は中学校受験のための受験塾、受験が終わると受験塾は一旦途切れますよね。そして追い越せ、追い越せの競争ですよね。公文の教材は先の先までありますから、途切れることなく、ずっと学び続けていくことができます。その人の人生の中でどの時期からでもいいので関わっていただきたいですね。私たち指導者は出会った方々の可能性を信じて、長い期間、寄り添い続けます。

    子どもが「今の自分があるのは公文の教室でがんばらせてもらった自分があるから」と

    景山:今日は元生徒のお母さまである小林さまにも教室にお越しいただきました。本日はありがとうございます。

    小林さま(元生徒のお母さま)と
    小林さま(元生徒のお母さま)と

    小林さま:息子は司法試験に合格して、司法修習生をしていますが、公文のおかげで勉強の下地ができたと言います。司法試験に向けて、自ら勉強のプロと言うくらい勉強をしましたが、「今の自分があるのは、公文の教室でがんばらせてもらった自分があるから」と言っています。

    息子は大学1年のときから教室のスタッフをさせていただいていました。金光先生からスタッフにとお声かけいただいたのは、とても光栄なことでした。子どもたちと接することが本人にも癒しになったようです。

    金光:息子さんのRくんを慕っている生徒はいっぱいいました。英語の訂正や音読など、生徒たちを根気よくみてくれました。

    小林さま:息子の1学年上のいとこも、横浜で公文に通っていたので、親族で旅行に行くときも姪と息子がプリントをもっていって旅行先でやっていましたね。姪は今、研修医をしていますが、やっぱり公文をやっていたことが、中学受験でも大学受験でも基盤になっていた、周りの子も公文をやっていた子が多いと言っていました。息子にも、子どもができたら「公文いいわよ」と言おうと思っています。

    金光:公文の指導者をしていると、親御さんたちといいおつきあいをさせていただけるから、元生徒たちが大人になって立派になっていることを教えていただけるのがうれしいんです。そして、元生徒が親になって、お子さんをまた教室に連れてきてくれ、親子二代で通ってくださるのもうれしいですね。

    金光照子先生

    今教室に通ってくれているHくんのお父さまも「子どもの頃、ここで公文をやっていたんですよ」といらっしゃって、私も「もちろん、わかってるわよ」と。お子さんに手書きの数字の表をつくってくださったり、そこにはちゃんと完成時間の欄もあったりしてさすが元公文生のお父さまです。Hくんもお父さまがそこまでしてくれてうれしそうなんですよ。

    小林さま:息子が小学校のとき、ちょっと困ったことがあって、悩んで金光先生に泣きながら話したことがありました。金光先生が「その姿を見せるだけで、Rくんには自分の味方がいると安心させられるから」と言ってくださり、親としてどれだけ安心できたことか…。金光先生には子どもと共に私自身が本当に支えていただきました。先日、息子が教室で同級生だったお子さん、今はアナウンサーをしてらっしゃる方と、偶然仕事場で会って食事したと言っていました。教室を軸にいろいろなことや人がつながっています。

    やはり小さいときの環境は大事で、何に出合って、何をがんばるかで、その子の先が変わってきます。金光先生の存在、がんばらせてくれる人の存在がまわりにあることがわが家としてはとても大きく、感謝しております。

    景山:公文の教室を通じての人と人とのつながり、心と心のつながりが素敵ですよね。自分を、自分の家族を知ってくれているという保護者としての安心感が伝わってきました。金光先生が、多くの生徒・保護者の皆さまと接してこられたことで、素晴らしいお話がお聞きできたこと、感謝しております。

    公文は高度に学力をつけながら
    乗り越える力もつけていく

    景山:公文の先生方、子どもたち、保護者の皆さまへのメッセージをお聞かせください。

    創始者 金光照子先生

    金光:あるとき、教室をおやめになった生徒のお母さまから「先生、公文の教材をもっとやっておけば塾で苦労しなかったのに…」と言われたことがありました。そして「あのとき、公文の教室をやめるのを先生に止めてほしかった…」と。

    他塾でうまくいかなかったお子さんが、教室に来てくださいます。受験の勉強は、受験のために必要な勉強をくり返します。ですが、公文の教材はどんどんステップアップして上がっていきます。生徒に中学のテストの結果を聞いたら、確実に力がついているのがわかります。受験のために必要な内容を行き来するのが受験勉強、その内容をスキルアップして点数を上げていきますが、公文の場合は、どんどん学年を越えて高度な内容に進みながら力をつけて、高校や大学レベルまで一直線に上がっていきます。

    昨今の闇バイト問題のように、若い人たちが犯罪に巻き込まれているのを悲しく思います。判断力があれば…、そして、そういう状況のときに、親や大切な人が悲しむかもと誰かの顔が頭に浮かぶ子に、子どもたちを育てていきたいですね。だから、子どもたちが愛情深く育てられることを望みます。お父さんやお母さんが悲しむかも、と子どもが自然にそうなるように親と子の絆を小さいときに強くしてあげたいです。そして、指示する際は「行くよ」ではなく「行きましょう」と。Let’sの精神で子どもの心の琴線に触れる声かけを心掛けてほしいですね。

    景山:Let’sという発想が素晴らしいですね。子どもは指示を受けている感覚ではなく、自分を尊重してくれているという受け止め方になると思います。尊重すること、ほめることは相手を承認することだと思いますが、今の時代、親子関係でも人間関係でもとても大事なことです。

    金光:公文式は本当にすごいと思っています。例えば無人島に行ったときに、どうやったら生きていけるか考える子になってほしいです。公会長の理想、公会長がおっしゃった賢い子に育てるというのはそういうこと。公文で学ぶ子どもたちへは「思い込んだら100年目ぐらいの気持ちで続けること」と伝えたいです。続けることによって、乗り越える力や粘り強さが出てきます。

    公文の指導者の皆さんに伝えたいのも同じで「続けること」。子どもにも言えますが、続けることで行きついたときに見える景色が今までと違うものがあります。私が公文を続けていてうれしかったのは、とにかく子どもたちの変わる姿ですね。苦労して苦労して連立方程式を解いていた子が因数分解になったときに全然違うんですよね。

    金光照子先生

    続けることによって学力だけでなく、乗り越える力、根気強さをつけていく。頭ごなしに教えられて理解するというのとは全然違います。自分で乗り越える、自立ですね。

    だから、私の教室では、教材をセットして学習の準備をしたものはあるけれども、子どもに聞いて、子どもが自分で教材を選んで、自分の責任で仕上げてもらいます。そうすると子どもも気分がいいんです。

    景山:先日教室で子どもたちと金光先生の、今日やる教材を決めるやりとりを拝見しました。先生は自分のことをよくわかってくれている、自分の判断を信じてくれているという信頼感が、子どもを自立に導く根本だと改めて感じました。最高の対応だと思います。

    金光:私の息子たちには、「お母さんは生徒さんの親御さんから電話がかかってきたら、教材番号が何番ってすぐ言えるのに、僕たちの習い事の曜日や時間はすぐ言えない」って言われました。当時は悲しかったみたいです。私は公文に夢中になっていた母親でした。そんな母親でも、公文の教室を長く続け、多くの人とつながっている様子を見て認めてくれているようです。息子たちは、親孝行にと旅行に連れていってくれ、現在、ふたりとも飛行機のパイロットなのですが、息子たちの操縦する飛行機にも乗せてくれました。

    主人からも「お母さんは、公文をさせておけばご機嫌がいいから」と言われたくらい、本当に私は公文の虜です。公文の教材は本当にすごいです。だから、これからも指導者の皆さんには、確信をもって指導していってほしいですし、生徒の皆さんにも、公文を続けてほしいですね。

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    前編のインタビューから

    -子どもがやりたくなるような 「しかけ」がされた教材
    -シュヴァイツァー博士は医学 僕は教育によってアフリカに貢献していきたい
    -一番偉いのは子ども 子どものリズムを大切に

    前編を読む

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