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Vol.431 2022.01.18

公文書写-夫婦で長く続けることが目標

夫婦で楽しく学べる書写は、
二人と町をつなぐ糸
~ゆっくり丁寧に、
優しい気持ちで続けていきたい~

公文書写は、全国3,800の教室で、幼児から90代以上の方まで、幅広い世代の方々が学ばれています。中には、ご夫婦や親子・きょうだいなど、家族で一緒に学ぶ方々も多くいらっしゃいます。
公文書写教室で学習を続けて、「美しい文字を書けるようになった」というだけでなく、「日常の変化」「気持ちの充実」に気づかれる方も多いようです。
今回ご紹介するIさんご夫妻が窮屈さを感じるコロナ禍の中で、二人一緒に始められて、かつ一人でも楽しめる習い事として選んだのが「公文書写」でした。
教室に通うようになって変化したことは、文字だけではなかったようです。

目次

    公文書写教室を選んだ理由

    公文書写

    妻のTさん(以下、Tさん)は日頃から、文字とはずっと長い付き合いをしているのに社会人になってから向き合っていないと感じ、いつかはきちんとした文字を書きたいと思っていました。夫のMさん(以下、Mさん)も仕事をリタイアしてひとつの節目でもあり時間もできるので、コロナ禍の中でも週に1回二人で出かけることをしたかったそうです。
    Tさんは以前、公文式教室の採点スタッフをしていたことがあり、子どもたちが驚くほど成長する姿を目にしていたので、公文のことも信頼して入会しました。「自分のペースで気軽に習えて、長く続けられると思ったのです。発表会などがないことも魅力でした」と話します。Mさんにもすぐに声をかけたところ、「近頃は手書きの機会も減り、たまにあっても上手に書けない」と、一念発起して一緒に学ぶことにしました。

    習い始めて感じたこと

    教室では何もかも新鮮に感じられ、生活リズムも教室に通う土曜日が起点となりました。
    「文字の書き順ひとつをとっても、誤って覚えていたことを知りました。教室で集中して書くのは学校に通っているとき以来で、とても気持ちのいいものです。学び始めると、会社で何か書くときに、丁寧に書くことを意識するようになりました」とMさん。「生活にリズムが生まれました。二人とも働いているので、週末は無駄に時間を過ごしがちでした。それが土曜日の午前中に30分、無心で集中して教材に向かう時間が持てて、1週間のいい意味でのリセットができています」とTさんも話します。
    学習を始めて1年が過ぎ、ますます書写の楽しさや文字の上達も感じられるようになりました。
    Mさんは「名前を以前書いたものと比べると、かなり変わりました。パソコンや印刷で済ませていた年賀状や暑中見舞いに、手書きのひと言を添えてみようと思います。その文字を見た会社の同僚に褒めてもらいたいですね」と気持ちも前向きに。Tさんも「以前は文字を書くことにおよび腰だったのですが、今では冠婚葬祭をはじめ、自分の文字で思いを伝えたいという気持ちに変わりました」と自信がついたようです。

    夫婦仲良く続けることが目標

    公文書写

    公文書写教室で学習していることを、お二人は会社の同僚や友人にも伝えています。「公文は子どもが習うもの」と思っている方も多く、びっくりされるそうです。また、夫婦一緒に習っていることを話すと、さらに驚かれることも。「何かおかしいかな?」とMさんは笑います。
    「リタイアして世界が狭くなっていく一方で、二人でいる時間は増えていきます。夫婦仲良くすることで、毎日を楽しく過ごすことができます」とご夫婦とも感じられているのです。
    お二人の学習ペースにも長く続けるための工夫があると、Tさんが教えてくれました。
    「夫婦で教材の進度を合わせて学習しています。私の方が時間を取れるので早く進めるのですが、夫はおいていかれて差が出ると、絶対にイヤになると分かっています。私が進み過ぎると、くり返し学習をして待つようにしています。公文は個人別ですが、私たちはあえて一緒に進んでいます」
    「文字」という共通の話題ができ、夫婦の会話も増えました。お互いの文字を見せ合うのも、楽しいひと時です。

    変わって見えたいつもの風景

    書写を習い続けるうちに、日常生活にも変化が見えるようになりました。今まで感じることがなかったものへの関心が生まれ、また、町や人への意識も変わってきたのです。
    「最近では手書きの文字を見ると、書いた人のことを思い浮かべたりして、強い関心を持つようになりました。例えば、飲食店で達筆なお品書きがあると、『どんな方が書いたのだろう』と店内を見回してしまうのですよ」とMさん。
    「私も旅行に行った先でお寺の山門に書かれた文字を見ると、書体や書風を見入ってしまいます。もともと文房具が好きなので、筆記具にも興味が出ました。これも『書写の深さ・広がり』なのでしょうね」とTさん。
    地域や町、そしてそこに住む人たちへの関りを感じるようになったともいいます。

    Mさんは「教室で小さいお子さんが、一生懸命書いているでしょう。子どもたちと接する機会も少ないので、とても嬉しいです。先日、同じ教室に通うお子さんに町中で会った時、『こんにちは』とお互いにあいさつをしました。町内で防災担当をしていますが、『子どもたちをまず守らなければ』という思いが強くなります」と語ります。
    Tさんも「同じ教室に通うお子さんを町中で見かけると、『私も地域の一員、仲間なのだ』と実感するようになったのです。今までは電車に乗り、他の町ばかり行っていました。自分の住んでいる地域をよく見ていなかったのでしょう。人も景色の一つとしてしか認識していなかったのだと思います。書写を習い人との関わりも生まれ、見慣れたはずの風景が変わって見えて、まるで自分と町が糸でつながったように感じました。夫婦の絆も深まりました」と話されます。

    手書きの文字は、書く人の気持ちを伝える温かいコミュニケーション。きょうだい、親子、家族、そしてご夫婦で、手書き文字の良さを実感されています。
    そして公文書写教室は、幅広い世代が一緒に学び、人と人をつなぐ世代を超えた地域コミュニティの場にもなっています。

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