女子学生たちにロボット工学の
魅力を伝えることにやりがい
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大学では工学とコンピューター・サイエンスを学びました。いつか自分のロボット会社を作りたいと思っていました。19歳のときに、Robogals(ロボギャルズ)という学生団体を創設しました。男性が多くを占めるロボット工学分野にもっと女性を呼び込むべく、さまざまなワークショップを行う団体です。アメリカ、イギリス、日本などの国で、現在までに5万人以上の女子学生たちのために、ロボット工学の魅力を伝えるワークショップを開催してきました。この活動が評価されて2012年に受賞したのが、オーストラリアの若手ロールモデルに贈られる賞、「ヤング・オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー」です。
数多くの人材が集まることでアイディアも多様化しますので、ロボット産業界はもっと女性を雇用したがっています。実際に大学では、数学や科学を学ぶ女子学生に対してさまざまな奨学金も与えています。ただ、業界の一部にまだ男性社会的な空気が残っていることもあって、女性はまだまだ少ないのが現状です。
Robogalsではさまざまなワークショップを行い、女子学生たちにロボット工学の魅力を伝えてきました。私が自分の体験を話すことで、「20代の女の子のマリタが、アップルのような会社と仕事ができるなら、私にもできる!」と思ってもらえましたし、ロボットがいかに人間の生活にインパクトを与えるかを話すと、「自分の仕事が社会の役に立てるのかもしれない!」と心を動かしてくれる女の子もいて、やりがいがあります。
あるとき、大学を中退した若い男の子たちがシンプルなロボットを製作して売り始めたことを知り、「彼らができるなら私にもできる」と思いました。ロボットを作るのに、博士号は必ずしも必要ないんですね。それで私はロボットを作る今の会社を設立しました。