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Vol.510 2024.03.22

公文式英語で世界とつながる経験をきっかけに

将来を一つひとつ切り開くことができた
間違いをおそれずに挑戦しよう

 

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KUMONでは、英語で世界を感じ、地球社会に貢献できる人材を育むために、Kumon English Immersion Activities (KEIA)の活動を展開しています。公文式の創始者 公文公(くもんとおる)は「やってみよう、やってみなければわからない」という言葉を遺しています。誰しも無限の可能性を持っています。「まちがいを恐れないで、英語でのコミュニケーションに挑戦しよう」をあいことばに、「英語は世界とつながるコミュニケーションツールのひとつ」と捉え、日本全国から参加する友だちや世界各国出身のリーダーたちとコミュニケーションを取り、視野を広げ、世界について学び、自分自身のことについて一緒に考える「Global Immersion Camp(GIC)」。その前身である「English Immersion Camp(EIC)」に参加したことが世界への扉を開くきっかけとなり、現在はグローバルな医用電子機器総合メーカーである日本光電工業株式会社の海外事業本部で活躍している、山田翔(やまだ かなた)さんにお話を伺いました。

目次

世界各国出身のリーダーたちとの交流経験が軸

EIC

―― まずはEICに参加されたきっかけを教えてください。

私は兵庫県宍粟市(しそうし)生まれですが、教員の両親の仕事の関係で、小学校1年生から3年生までを香港で過ごしました。香港で通っていた日本人学校で週3回の英会話の授業があったこと、現地では習い事も英語で習っていたこともあり、小4で日本に帰国してからも「英語を忘れたくない」「ブラッシュアップしたい」という気持ちが強く、公文で英語を学び始めました。

中1レベルからのスタートでしたが、私はどんどん次に進めていきたい性格で、学年にとらわれずにどんどん進められる公文の学習スタイルが私にはとても合っていたように思います。先生も、私のやりたい気持ちをサポートしてくれたおかげでどんどん進めることができ、中1の冬には英語は最終教材まで終えることができました。

小5で参加したEICも、公文の先生が「参加してみたら?」と勧めてくれたことがきっかけでした。実は、募集開始は公文で英語を始めて3か月頃で、ギリギリ参加条件に達していなかったんです。なんとかEICに参加したい一心で宿題をたくさんがんばり、横浜市の公文国際学園で行われた10日間のキャンプに参加することができました。

EIC

―― EICでどのような経験をされましたか?

全国から小学校高学年の子どもたちが70人ほど集まっていました。コーチ役のグループリーダーは世界20カ国から参加していて、みんなでワイワイととても楽しい10日間を過ごしたことは今でも鮮明に覚えています。毎日日替わりでたくさんのアクティビティが用意されていたのですが、特にみんなで振り付けを考えて踊ったダンスが楽しかったです。世界の料理を試食したり、ピクニックにも行きましたね。

プログラムの中では、グループリーダーの出身国について学んだり、世界情勢についてみんなで話し合ったり考えたりしました。その中で特に印象に残っているのは、スリランカ出身のリーダーのお話でした。スリランカには貧困で苦しんでいる子どもたちがいるということを教えてくれたんです。内戦事情についても知りました。子ども心にも、「住む国によってこんなにも人生が違うのか」と胸に迫る思いが残りました。この時の経験が「世界に貢献したい」という強い気持ちとなり、今でも自分の軸になっています。

「世界に貢献」を「医療で貢献」、より明確に

山田翔

―― 大学や大学院選びの背景は?

人生の選択の際にいつも根底にあるのは、EIC の経験から得た「世界に貢献したい」という思いです。大学の進学先選びには、中学高校時代 のソフトテニス部での経験が影響しています。部活で捻挫や肉離れのケガが多く、その度に練習を休まなければいけないことをもどかしく思っていました。そのことから、中学生の頃から、将来は医療に携わり、自分と同じようにケガで苦しんでいる人々をサポートする仕事に就きたいと考えるようになったのです。

医学や理学療法の道も考えましたが、最終的には早稲田大学のスポーツ科学部に入学し、医学寄りのスポーツ医科学を専門に学んでいました。その中で「もっとスポーツ医学について専門的に研究したい」という思いから大学院で学びを深めることにしたのですが、一度世界に出てみたい、世界の優秀な学生と切磋琢磨しながら勉強できる環境に身を置きたいという気持ちが強く、海外の大学院に挑戦したのです。

公文のおかげで英語が得意だったので、留学先としてまずは英米の大学院を考えたのですが、学費や治安の問題がありました。ドイツは医学が進歩していて、国公立の大学・大学院は学費が無料(州による)で国を問わず優秀な学生が集まるので、治安も環境も良いドイツなら自分も親も安心して留学生活を送れるだろうということで、ドイツ留学を決めました。

―― ドイツ語の習得に苦労はありませんでしたか?

留学を決めるまでドイツ語の勉強をまったくしたことがなかったので、ドイツ渡航後の最初の5か月間はハイデルベルク、大学院入学前の3か月間 はオルデンブルグで語学学校に通いました。午前中は語学学校の授業を受けて、午後は毎晩 9 時~10 時まで図書館に残って勉強するなど、すごくがんばりました!

ただ、公文でしっかり英語の勉強を続けていたからでしょうか、長文を読んで要点を理解することは全く苦にならなかったんです。公文の英語は英語以外の言語の学習においても有効でした。 おかげでドイツの大学院入学に必要な基準もクリアして、日常生活や大学院の授業を受ける上でも不自由なくドイツ語を使えるようになりました。公文をやっていて良かったと改めて思いましたね。

大学院では、スポーツとライフスタイルという専攻でトレーニング科学の観点から、体幹の筋肉とけがのリスクを評価する指標作りを研究しました。

山田翔

―― 現在のお仕事についてお話しいただけますか?

大学院卒業時に仕事を選ぶ際にも、EICでの経験が生きています。「医療という観点で世界に貢献したい」という思いを持ち続けていましたが、じゃあ自分はどんな形で貢献できるだろうと突き詰めた時、「自分一人で医療に貢献できる範囲には限りがあるが、医療機器を通してであればすべての国々、人々に平等に貢献できるのではないか」と気づいたんです。その一心で、医療機器メーカーに絞って就職活動をしました。

入社した日本光電では、希望がかなって海外営業部に配属されました。世界に複数ある海外の販売会社とコミュニケーションをとって、マーケティング・市場調査や商談のサポート、各地からの要望を吸い上げて関連部署に伝える仕事をしています。業務の半分以上で英語を使う日々です。

入社2年目の今は、中東・アフリカ地域をメインで、ヨーロッパ地域と韓国をサブで担当し、まず市場を知り、各国の経済や政治情勢を勉強するところから始め、「生体情報モニタ」という患者さんの体調変化を見守るための製品をこれらの地域に届けるためのサポートをしています。同じ地域でも国によって医療システムやニーズが異なるので毎日新しいことを学び、そのたびに刺激を受けています。

昨年、韓国に出張した際、現地の病院を訪問する機会がありました。生体情報モニタの商談は短期で決まるものから数年がかりで進めるプロジェクトまで様々なのですが、自社の製品が韓国の病院で患者さんと繋がって稼働しているのを見て、改めてやり甲斐を感じました。今後も一人でも多くの患者さんに生体情報モニタを届けていきたいというモチベーションで仕事をがんばっています。担当地域のスタッフと日々英語でコミュニケーションしていますが、EICで「伝えることで相手に伝わる、伝わる喜び」を小学生ながら感じられたことが、今の積極的なコミュニケーションの原点になっています。

子ども時代にぜひ一生の財産になる経験を

―― これから取り組みたいことをお聞かせください。

海外の拠点で働くのが夢です。中でも、一番興味があるのはヨーロッパです。弊社の拠点がドイツにもあるんです。英語は世界共通のビジネス語ですが、ドイツ語でコミュニケーションを取って、現地の言葉で生の情報を取れる、というのが自分の強みだと思うので、特にドイツはいつか駐在したい国のひとつですね。そのためにも、ドイツ語のラジオを聞くなど、ドイツ語の維持に努めています。おかげで先日の国際学会で、ドイツからいらした医師の方にドイツ語で即興のプレゼンテーションをすることもできました。

ヨーロッパと一口に言っても、ポルトガルやスペインなどの南欧から、中東に近いエリアまでをカバーしています。それぞれの国の医療の状況や政治情勢を鑑みて、どういったことをその国でやらなければいけないのかを考えるなど、非常に学びの多い地域だとも感じています。いつかは駐在してみたいですね。

山田翔

―― 2024年は4年ぶりにGICがリアル開催されるそうですね。参加を考えているお子さんや保護者の方にメッセージをお願いします。

“Don’ be afraid of making mistakes. Let’s try communicating in English.”、「まちがいを恐れないで、英語でのコミュニケーションに挑戦しよう」というのが、GICのスローガンです。つたない英語でも相手に伝えようという気持ちに焦点をおいて、積極的なコミュニケーションを取ることを私はEICで学びました。間違いをおそれずに挑戦するということは、英語だけに限らず、ドイツへの留学や今の仕事、私の人生のすべてに生きています。今も仕事で自分から積極的にアクションしていけるのは、公文の教材でどんどん先に進んだり、EICでまちがいを恐れずにどんどんやっていこうという経験が出来たからこそです。

EICに参加したのは一度だけでしたが、その後も数年ごとに「Ambassadors of Peace Network(APN)」という同窓会のような形で参加者で集まるなど交流が続いていました。EICに参加したことは自分にとって一生の財産になっています。

解決策は必ずある
解決策は必ずある

EICを紹介してくださった公文の先生には本当に感謝しています。キャンプから帰ったときも開口一番、先生に「楽しかった!」と伝えた記憶があります。自分の知らない世界を知れて、今の自分に繋がっています。実家に帰ったときには、今も公文の先生と食事に行ったり、交流が続いています。

今年のGICは琵琶湖で6日間開催されるそうですが、親元を離れて過ごすというのが人生初めてのご家庭も多いと思います。親御さんとしては心配な気持ちもあるかもしれませんが、意外と子どもって親が心配しているほど弱くないんじゃないでしょうか。私自身も10日間のキャンプによく親が送り出してくれたなと思いますが、ぐんと成長した姿を見せることができました。ですので、安心してお子さんを送り出してあげてほしいと思いますね。

そしていざ参加を決めたら、お子さんたちには勇気を持って自分から喋るということを実践してほしいなと思います。今まで公文で頑張って勉強してきた英語を実際に使って、海外の人たちとコミュニケーションを取れるという経験は何物にも代えがたい思い出になるはずです。伝わったという成功体験がひとつできた瞬間に、皆一気に話し出します!ぜひ、”Don’ be afraid of making mistakes”の精神で頑張ってください!


 

 

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