公文式指導者による研究発表
永年20年の指導者の表彰の様子 |
1979年から毎年開催されている公文指導者研究大会。今年のプログラムは「分科会」、「全体会」、「グローバルセミナー」の3つでした。
【分科会】
指導者グループによる自主的な指導研究の成果を発表する「自主研発表」では、事前の審査を通過した11のグループが研究成果を発表しました。全国から集まった指導者たちは、それぞれ幼児や英語の指導など関心のある自主研の発表を聴講し、学びを深めました。
公文の指導者は、教室を開設してからも日々いろいろな形で研鑽を続けていますが、自主研による指導技術の研究・実践活動もその一つ。毎年それぞれのグループで研究テーマを決めて仮説を立て、教室での指導にあたり、教室の子どもたちの教材の進み具合や取り組みの様子などを観察します。それらの内容をまとめ、年に一度の研究大会で発表するのです。その内容は、全国の指導者や社員にも共有され、研究をした自主研以外の指導者もこの研究成果を教室での実践の参考にすることができます。
【全体会】
参加者全員が集って1年を振り返り、これからの方向性を確認する場として、社長・副社長からのメッセージ、長年公文の指導者として活躍されている先生方の永年表彰、自主研発表の中から優秀な発表を表彰する自主研発表表彰式などが行われました。
オーストラリアと日本の公文式OB・OGたちから学ぶグローバルセミナー
グローバルセミナーの様子 |
「グローバルセミナー」では、海外からのゲストや公文式学習の経験者からのメッセージを紹介。“グローバル社会で活躍する人材の育成について考える”ことがテーマでした。海外からのゲストは、オーストラリアで公文式算数・数学を学び、最終教材(高校レベル、一部大学レベルの内容)を修了したマリタさん。マリタさんは、現在ロボット開発会社の社長を務められ、身体に障害がある方のサポートをするロボットの開発・普及に取り組まれています。2008年にRobogals Global(ロボガールズ・グローバル)という団体を作り、女の子たちに対して機械工学やテクノロジー分野への興味を推進する活動に取り組んできた功績をたたえられ、2012年にはオーストラリアの国民栄誉賞にあたる「ヤング・オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー」を受賞されました。
KUMONで学ぶ前から算数は得意だったというマリタさんですが、この日の発表では「KUMONで基礎的な内容をきちんと学んだことで自信がついた」と語ってくれました。また、KUMONの教材を修了する過程で身につけたのは、「先の計画を自分で立てる力」だと言います。今の仕事では、ロボットの企画・立案から実用化させるまで、ある程度の期間をかけてプロジェクトに取り組む必要があります。見通しを立て、一つひとつステップを踏んで前に進めていくことをくり返すことが必要な今の仕事にも、「KUMONで身についた力が役に立っている」と語ってくれました。
「 プログラム」のビデオメッセージ |
つづいて、文科省が推進する「官民協働海外留学支援制度 トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」のプロジェクトディレクター・船橋力氏と、この制度を使って海外留学した学生2名のビデオメッセージも放映されました。このビデオメッセージに登場いただいた船橋さんと学生2名は皆さん公文式学習の経験者。
船橋さんは、グローバル社会で求められる力として、「情報収集力、自ら考える力、行動力やチャレンジ精神が重要」だとおっしゃいます。若者たちには、「刻々と世界が変わる今は、定期的に海外に触れながら情勢を知る必要がある。これからは20代で3回留学する時代だ」と常々伝えているそうです。今の子どもたちには、そのベースとなる国語力や英語力をしっかりつけることも重要だというメッセージを送ってくださいました。
海外留学をした大学生2名からは、「留学を通じて、自分は日本人である前に地球人であるということに気づいた。偏見を持たずに相手を受け入れる大切さを学んだ」、「困難に打ち克つ力、自分で生きていく力が留学で得られた」など、自身の留学経験を踏まえた留学の意義が語られました。
全国各地から指導者が集い、指導者同士、そして公文の学習経験者から学ぶ公文指導者研究大会。指導者たちは、その学びを翌日からの教室での指導・実践に活かし、これからも日々研鑽を積んでいきます。
関連リンク
トビタテ!留学JAPANプロジェクトディレクター・船橋力さん|KUMON now! OB・OGインタビュー 留学したKUMONのOB・OGたち|KUMON now!