国際会議での議論の体験がターニングポイント世界を知り、発信していく重要性を痛感
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ダボス会議の様子 |
海外で生活してきてそれが当たり前だった私は、日本で大学に入ってから、同年代の若者たちが社会問題についてまったく関心がないことや、自分の意見を言わないことにショックを受けました。大学を卒業して商社に就職後、異業種交流会を立ち上げながら、その想いはますます強くなります。その後、教育研修事業を行う株式会社ウィル・シードを設立し、全国の小学校に貿易ゲームを通じて世界で起きている問題について体感できる研修を導入してもらうなどの事業を展開していました。
そんななか、私自身がターニングポイントになる体験をしました。2009年に世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーに選ばれて、「ダボス会議」に参加したことです。その場では、世界中から選出された40歳以下のリーダーが集まり、世の中をよくするためにはどうしたらよいかという議論を交わすのですが、世界各国のリーダーたちの、情報量、教養、ディベート力、語学力などの凄さに打ちひしがれ、劣等感にさいなまれました。帰国子女で海外駐在も経験した自分でしたが、10年のブランクで日本的になっていたのでしょうね。
でも、この大変さはきっと乗りこえられると取り組み続けたら、周りからは、「Mr. Funabashiは傾聴力がある」と言われました。私としては、日本にいるときほど発信ができていないと歯がゆく思っていたのですが、日本人特有の聞く力を発揮していたのでしょう。みんなの意見を聞いた後に、効果的な発言をして場を変えることができる、と。自分の弱みを強みに変えることができた体験といえるでしょう。
また、日本と海外のリーダーの違いも感じました。海外のリーダーたちは、個人で斬新な考えを発言するのですが、その場限りのものが多いです。日本人は個人では目立たないものの、チームで真面目にアクションまで落とし込みます。たとえば「Table for Two」という、協賛している飲食店で食事をしたら発展途上国に2食分(20円)支援する仕組みを考えたのも、日本のヤング・グローバル・リーダーたちです。
ダボス会議の経験を通して、世界を知って発信する重要性を再認識しました。いくら他人に何かをすすめても、人は体験でしか気がつきません。その後私は、既に約10年経営していた株式会社ウィル・シードで海外へ社員を出す新たな教育プログラムをつくるなどのビジネスを始めました。このときにすでに、「海外と教育」という、トビタテ!の留学促進につながる流れが私の中でできていたのだと思います。
※KUMONはトビタテ!留学JAPANに協賛しています。
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