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Vol.109 2015.10.20

留学したKUMONのOB・OGたち

人生の可能性を広げる
留学に挑戦!

~海外留学したKUMONのOB・OGが語る留学~

文部科学省と民間企業が連携して、2014年からスタートした海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」をご存知でしょうか。アカデミックな留学だけでなく、インターンシップやボランティア、フィールドワークなど様々な活動を目的とした留学も支援します。今回は、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」で留学した大学生の中から、KUMONのOB・OG6人に集まっていただき、留学に至った経緯や留学で学んだこと、これからの進路などについて聞きました。

目次

※「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」(以下、「トビタテ!」)については、記事末尾の関連リンクをご参照ください。

座談会の様子
座談会の様子

【参加者プロフィール(あいうえお順)】

芦澤さん:大学4年生。将来英語教育に携わりたいとの思いから、英語力向上と国際的経験を積むことを目的にアメリカに1年間留学。

岩崎さん:大学3年生。フィリピンで2か月間語学研修を受けたのち、インドの現地企業で半年間インターンシップに参加。その間、現地の日系企業、外資企業、NPOなども訪問。

オリバレスさん:大学3年生。移民教育について学ぶためポーランドの大学へ9か月間留学。留学中、現地の小学校を訪問して移民児童や教師、保護者にインタビューを実施。

田村さん:大学4年生。経済学を学ぶため9か月間アメリカに留学。その後、ホンジュラスのNGOで3か月のインターンシップに参加。

平野さん:大学3年生。ロシア語とジャーナリズムを学ぶため10か月間ロシアの大学に留学。その後、ウズベキスタンで日本文化を紹介するボランティア活動に参加。

宮内さん:大学院修士課程2年生。水環境の問題を研究するため、ベトナムの大学に4か月間留学。

彼らが留学に行くまでの経緯とは?

小さい頃から海外を身近に感じられる環境があった

宮内さん
宮内さん

座談会の冒頭で、留学に行くまでの経緯について聞いてみました。まず、海外に興味を持ち始めたのは、いつ頃、どんなことがきっかけだったのでしょうか。

宮内さん:小学生の頃からサッカーが好きで、ワールドカップを見て海外に興味を持ち始めました。また、仲の良かった家族がホストファミリーとして毎年留学生を受け入れていて、それも海外のことをもっと知りたいと思うようになったきっかけの一つだと思います。

平野さん:小学生のときに図書館で読んだ本で、世界には自分と同じ年でも教育を受けられない子がたくさんいることを知り、国際協力について考えるようになりました。

芦澤さん:公文式の英語教材から見えてくる海外の話が、海外への興味や関心を広げてくれました。

岩崎さん:小4のときにKUMONのイングリッシュイマージョンキャンプに参加しました。キャンプには様々な国の人が集まって仲良くしているのに、なぜ世界では戦争が起きるのだろうと疑問を感じ、世界平和について考えるようになりました。

平野さん
平野さん

子どもが世界へ目を向ける入口は、いろいろなところにあるようです。
つづいて、海外渡航の経験について聞いてみました。すると6人中2人は、高校時代に海外留学を経験していました。そのほかの4人も、旅行などで海外への渡航経験があり、今回の留学が初めての海外だったという人はいませんでした。

このように、海外に目を向けることには積極的なご家庭が多かったようですが、実際のところ、親御さんは子どもたちの海外留学についてどのように考えていたのでしょうか。「父は海外出張が多く、母も留学経験があったので、両親は私にも積極的に海外に行くように言っていました」というのは田村さん。一方、平野さんはお母さんから「心配だから」と新興国への留学に反対され、「トビタテ!」にはご両親に黙って応募したそうです。留学が決まったあと、留学先のウズベキスタンがどんな国で、自分がそこで何をしたいのかを丁寧に説明し、説得したそうです。

留学中のトラブルを乗り越えて得た力とは?

やろうと思えば何とかなる!
留学中のさまざまなトラブルを乗り越えて得た力

オリバレスさん
オリバレスさん

「トビタテ!」では、留学の計画づくりを学生自身が行います。ですから、留学前から一人ひとりが留学の目的を明確に持っています。

オリバレスさん:自分は日系ブラジル人。でも私は日本で育っているので、移民だった両親の気持ちや苦労が理解できませんでした。留学を通じて自分が移民の立場を体感し、移民教育について学び、自分に何ができるのかを考えたいと思っていました。

そして、留学の目的を定めたあと、留学の準備も学生が主体となって進めます。この準備段階から海外とのやりとりに苦労した方もいたようです。

岩崎さん:インターンシップもボランティアも手配が大変でした。サイトを見て、依頼状や履歴書をひたすら送りまくりました。返事が遅いし、本当に届いているのか不安でした。

岩崎さん
岩崎さん

苦労しながらも準備を整え、いざ海外へ。しかし、留学中も日本ではありえない経験をしたようです。さまざまなトラブルが起こる中で、彼らはどんな力を身につけたのでしょうか。

田村さん:ホンジュラスでは、停電は2日に1度。冷蔵庫が3週間使えなかったり、コンロが爆発したりもしました。バス停もなく、「大きい石の上に立っていればいつかバスが来るよ」と言われたことも。世の中のたいていのことはなんとかなるということがわかりました。

宮内さん:路上でいきなり友達がなぐられるアクシデントがありました。保険の手続き上、事故として扱ってもらうため警察に行ったのに、外国人ということもあってまったくとりあってもらえませんでした。怒っても仕方ないので、大使館の名前を出してみたり、このままだとあなたたちが不利益を被ることになるなどと説得して、最終的には動いてもらいました。そういう交渉能力、どんな状況でもあきらめない力がつきました。

頼れるのは自分自身だけ、という環境で、みなさん精神的に鍛えられたようです。

先入観を打破する

自分も相手も先入観に縛られていると感じた、という意見もありました。

平野さん:ロシアでは、日本といえばゲイシャ、スシ、マンガ。それとは違う日本文化を伝えたくて、現地の日本人スタッフの方と文化祭のようなイベントを企画しました。

芦澤さん:自分も、相手はこうだと決めつけている部分がありましたね。アメリカってみんな明るくてオープンマインドで、誰に対してもウェルカムかと思ったら、そういうわけでもないし、人種差別もいまだにある。実際に行ってみると、自分も“アメリカ人とはこういうもの”というイメージにとらわれていたことに気づきました。

人生の可能性は、より広がった

芦澤さん
芦澤さん

留学は彼らのその後の人生にどのように影響するのでしょうか。進む道がより明確になった人、違う道が見えた人、迷いが生まれた人……とさまざまだったようです。

オリバレスさん:言葉がわからないってこんなに辛いんだと初めて知りました。帰国後は、言葉がわからなくて苦労をした自分の両親に対する接し方が変わりました。それに、自分は「移民教育」を大きく考えすぎていたと気づきました。移民の方々を身近なところで支えていくことが大切なのではないかと思うようになりました。

芦澤さん: 留学前からの夢であった教育関係の仕事に就きたいです。子どもたちが、世界から見た日本のよさや悪さを理解して、よりよい社会づくりに貢献していける手助けをしていきたいです。

宮内さん:留学前から水環境の向上に携わりたいと思っていましたが、変わらずこの道に進みたいと考えています。

違う道が見えてきたのは田村さん。

田村さん
田村さん

田村さん:留学前は、最貧国といわれるホンジュラスでの経済面での国際協力に興味があったのですが、現地で子どもたちに音楽を教えていたら、子どもの成長を見るのがすごく楽しかった。今は、教育について勉強していこうと思うようになりました。

一方で、迷いが生まれたという人もいます。

岩崎さん:日本人としてのアイデンティティが芽生えました。世界の中での日本のプレゼンスをあげていきたいと思うのですが、選択肢がいろいろ見えてきたので、どのように取り組んでいこうか考え中です。

平野さん:自分のやりたいことが多すぎて、今は正直何をしたいかわからなくなっています。留学前はやりたいことをやっていきたいと思っていましたが、現地で頼られる経験をして、自分にできること・求められていることも考えて将来を決めていきたいと思うようになりました。

迷いが生まれたというのは、それだけ可能性が広がったといってもいいのかもしれませんね。

留学とKUMON異国の地に自分一人で飛び込む留学という経験は、学生たちにとって「自分の能力が試され、大きく成長する機会」だと言えそうです。その土台には、小中学校時代の経験が少なからず影響しているようです。

岩崎さんは「公文式は教室以外の日にも宿題があり、他の習い事とのスケジュール調整が必要でした。留学でもプラン作りやスケジュール管理が大切で、公文式で身につけた段取りをつける力が役に立ちました」と言います。

また、公文式英語の研究コースまで修了された芦澤さんは、「公文式英語の教材をコツコツ読んでいくうちに自然と視野が広がっていきました。英語の文章に触れ続けていく中で、英語力が身についたと思います」と教えてくれました。

「トビタテ!」では、留学前後に集合研修も行われます。そこでは社会でグローバルに活躍する方々たちとの接点や、他の学生たちとのディスカッションの時間など、学生たちの意識を高めるプログラムが組まれています。これまでの人生で培った経験を土台にして留学し、研修で視座を高めた学生たち。彼らはこれから活躍の場を広げ、社会に大きな影響を与えていくことでしょう。

関連リンク

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムトビタテ!留学JAPANプロジェクトディレクター・船橋力さん|KUMON now!OBOGインタビュー

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