たくさんの夢を脳みその中に詰めこもう

私はいま、引退後の活動のひとつとして、日本ユネスコ協会連盟による世界寺子屋運動にもかかわっています。途上国に読み書きを学べる場所をつくる運動で、現地のNGOなどと協力して進めています。近年は経済的な支援だけではなく、現地の人たちが寺子屋で学習したことによって収入を得て自活できるようにし、自分たちがやりたいことを計画、実施できるようにする方針を立てています。
運動開始から25年が経ち、今後の方向性の改善を考える時期になり、私もまだまだ学ばねばならないと思いを新たにしています。ユネスコからICUに転じたときも発想の転換が必要でしたが、今はさらに若い子どもたちと付き合うことがあり、自分もまた進化していると感じています。
私にとって「学び」とは、新しいことを吸収しながら自分の考え方をもう一度考え直すこと。私自身、自分の関心というものをつねに新鮮にしていくよう心がけてきました。そして、学びは生きている限り続いていくものだと思います。
子どもたちには、思いきり楽しく生きてほしいですね。そして願わくは、たくさんの夢を脳みその中に詰め込んでもらいたい。じつは世の中には正解のある問題のほうが少ないです。たくさんのことを学んで、自分の力だけではなくて周りをまきこんで、解決をするための力をつけてほしいです。明日につながる学びを追い求め続けてください。
関連リンク
世界寺子屋運動/日本ユネスコ協会連盟