KUMONは世界の未来の重要な基礎を構成している
Q.千葉先生とKUMONの出会いについて教えていただけますでしょうか。
最初の出会いは、2001年に日本ユネスコ協会連盟がKUMONと協力して京都で開催した「世界寺子屋会議」の場です。私は仕事柄、海外での生活が長かったので、正直なところKUMONがどのような活動をしている企業なのか、当時はよく分かっておりませんでした。
ところがその世界寺子屋会議には、たいへん大勢の熱心なKUMONの関係者の方々がいらして、その熱意に完全に圧倒されて、「素晴らしい組織だな」というのが初対面の印象ですね。
それ以来、イングリッシュ・イマージョン・キャンプをはじめ、ずっとKUMONと関わらせていただいてきましたが、教育産業の一社というよりはそういう枠を超えて、世界平和に貢献できる団体なのだということに気づくようになりました。親しみとともに、はっきり申し上げて、私のほうがのめり込んできたかもしれません(笑)
Q.先生は海外でのご経験も大変豊富でいらっしゃいますが、世界的な視点からKUMONの印象についておきかせください。
どんな社会でも、そこに教育が行き渡らないと、その社会の将来というものは保証できません。たとえどんなに素晴らしい政治家が一人現れても、国民の教育レベルが低ければなかなか夢は実現しませんし、いろいろな計画も実行に移せません。
社会が“学習できる社会”になると、すべての人が基礎教育を受けて、活発に生き生きと暮らしていくことが実現できる社会になると思います。そういう意味で、KUMONはまさにその理想に近い姿で、日本国内はもちろん世界の一部の国々に浸透できているのではないかと思います。
私は1961年にユネスコに赴任しましたから、KUMONが歩んできた道と同じ時代を私も歩いてきたことになります。そして振り返ってみると、1960年代以降の国際社会の大きな動きの中、KUMONの大きな変化も呼応して起きているのですね。
近年ですと「Education for All(=万人のための教育)」や、「持続可能な開発目標」達成のための教育目標というゴールが設定されてきました。KUMONは時代のニーズにマッチしていますし、これからもそういう世界の動きと呼応して成長し続けることを望んでおります。
Q.公文が持つ可能性について先生のお考えをきかせていただけますか?
ユネスコが将来の教育のビジョンを発表したことがあります。「教育というものは教えることではなく学ぶことだ。そして教育や行政はその学びを支える活動だ」ということを明確に示しました。
ところが実際に世界中の教育現場を見てきたなかでは、教室があって先生が黒板の前に立って教え込む、という形式ばかりでした。公文式の場合は、学習者が自主的に学ぶ、という形式であり、それこそ教育の主体であり、まさにユネスコが示したことをもうすでに実行しているわけです。
また、自分で学習目標を設定できるという点もいいですね。既存の学校教育では、カリキュラムについていけないと落ちこぼれてしまうことになりますが、KUMONではそれぞれの子どもたちに適切なレベルで対応できるので、落ちこぼれというものが生まれないのですから。
KUMONが、従来の、先生が教え込むという教育ではなく、自主的に学ぶという教育法であるということを知ったとき、本当に素晴らしいと思いました。また、公文の先生方が家庭的な雰囲気の中で、子ども一人ひとりに愛情を持って接していることも、教育として大変なメリットがあると思います。
Q.公文に関わる全てのスタッフに向けて、先生からメッセージをいただけますか?
これからの社会は、ますます“学習社会”として、一般の人々が教育と教養を身につけて、自分たちの社会と世界について協力しあっていく時代になると思います。そして、KUMONは世界の未来の基礎を築く上で、非常に重要な役割を担っている団体だと思います。KUMONが栄えることは、世界の基礎が強固になることだと思います。
私はKUMONがこれからも100年、200年と続いてゆくことを願っておりますし、そして100年、200年後の世界が、これまでには経験したことのないような、素晴らしい世界が実現していることを期待しております。
したがって、先生方も社員の方々も一致団結して、KUMONの素晴らしい可能性に自信を持って、将来に対するビジョンを共有し、頑張っていただきたいと思います。
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