OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2023/02/24更新

Vol.093

弁護士・ニューヨーク州弁護士
松本慶さん  後編

少しずつでも前進すれば大丈夫
「一日一歩」の精神で歩いていこう

松本 慶 (まつもと けい)

宮崎県日向市で幼少期を過ごす。地元の小学校を卒業後、鹿児島県にあるラ・サール学園で中・高時代を過ごす。東京大学法学部卒業後、2001年に弁護士登録。以来、一貫して渉外・企業法務に関する業務に従事。2006年米国・ノースウェスタン大学ロースクール卒業(LL.M.)。2006年から2007年にかけては、Weil, Gotchal & Manges LL.P.のシリコンバレーオフィスにおいて特許訴訟部門に所属。帰国後、ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)へ。主な著書に『クラウドと法』(共著、きんざい)、『ビジネス法務』(共著、中央経済社)など。

弁護士として主に企業法務を扱っている松本慶さん。弁護士生活20年を機に、15年勤務した世界最大級の国際総合法律事務所から独立し、昔の上司で先輩の弁護士とともに新たなチャレンジをされています。
少年時代を自然豊かな宮崎県日向市で過ごした松本さんは、小学校就学前から公文式教室に通い、「地方在住でも学べる機会を提供してもらった」と振り返ります。弁護士となって10年目、KUMONと仕事で関わることになり、公文式の哲学やメソッドに改めて共感されたそうです。弁護士を志したきっかけや公文式学習に対する思いなどについてうかがいました。

「犯罪白書」を愛読するほど
刑事事件を扱いたかったが……

ラ・サール学園時代に弁護士への夢が固まってきて、東京大学へ進学しました。大学2年のころから司法試験を受ける準備を進め、4年生で初めて受験。4回目で合格し、2001年に弁護士登録しました。当時は、「司法試験に合格して弁護士事務所に入ったら、5~10年で独立するのが当たり前」だと考えていました。ところが現実は違いました。

松本慶さん

実は私は刑事事件に関心があって、学生時代は「犯罪白書」を愛読していたほど。それで弁護士になったら刑事裁判を扱いたいと考えていたのです。また、司法修習時代は北海道の釧路市に配属され、そこでお世話になった稲澤優先生も民事事件を中心にされながら刑事事件も扱っておられました。

ところが最初に入った弁護士事務所は、刑事事件は扱わず、企業法務、しかも国際的な案件をメインに扱うところでした。実は私は企業法務については馴染みがなく、その上学生時代は英語が苦手。ようやく英語から解放されると思っていたら、また英語を勉強する羽目になってしまいました。

企業法務をよく知らないのに、なぜそれを扱う法律事務所に就職したのか。振り返ってみると、司法修習生時代に、狛文夫弁護士という国内外で高く評価されている先生に出会ったことが転機でした。就職活動の一環で狛先生を訪ねたところ、2回ほど2時間ずつくらい食事をしながら、留学中の話などを楽しそうに話してくれました。「人生経験として留学しておくといいよ」と勧めてくれたのも狛先生です。そうした話と狛先生の魅力にひかれて、マチ弁的な仕事もしているかどうかよく確認せずに、先生がいる事務所に就職したのです。その後、事務所が合併したりして名称は変わりましたが、「企業法務、中でも国際案件」という私の業務内容は変わりませんでした。

2005年まで働いていたあさひ・狛法律事務所では、国際部門の若手弁護士に、1年ロースクールに留学して、その後現地で1年働くことを勧めていました。そこで私も留学するため、平日は仕事後に数時間、土日は図書館で英語を学び直すことにしました。なかなかハードな生活でしたね。

松本慶さんロースクール時代の友人と

2005年に渡米し、最初の1年はロースクールで学び、次の1年は現地事務所で働いて2007年に帰国。その後、ベーカー&マッケンジーへ就職しました。この2年間は、かけがえのない学びの期間となりました。

ロースクールでは英語での講義に必死についていき、何とかニューヨーク州の弁護士資格を取得。卒業後働いた、Weil, Gotchal & Manges LL.P.というローファーム(法律事務所)のシリコンバレーオフィスでは、日本企業が巻き込まれた大がかりな訴訟にも関与し、アメリカの訴訟弁護士の仕事の仕方や考え方を肌で感じることもできました。また、ロースクールでも、現地事務所でも、同世代の同業者が多くいましたので、友達も多くできました。

弁護士としてのKUMONとの関わり

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