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Vol.486 2023.06.27

学校でのKUMON-長岡英智高等学校

『やればできる』の体験が
チャレンジ精神を育み
夢や目標を描く力となる

KUMONでは、1962年から学校や施設に公文式学習を導入する事業を展開しています。2023年4月現在、公文式を導入している学校や施設は約300。 多くの学校や施設から、「学習者の集中力が向上した」「粘り強く取り組む力が向上した」という喜びの声をお聞きします。このような学習者の変化はなぜ起こるのか、そしてどのような意味をもつのでしょうか。今回は公文式学習を学び直しの授業に取り入れている長岡英智高等学校(新潟県長岡市)で、公文式を導入した理由やその成果などをうかがいました。

目次

学び直しで「自己肯定感」を高める

学び直しで「自己肯定感」を高めてほしい
生徒が書いた校訓。教室に掲げられている

「立ち止まる・考える・行動する」は、長岡英智高等学校の校訓。自ら考え、行動する人間の育成や、互いの人格を尊重し、自己主張と他者受容ができる人間の育成などを教育目標に掲げ、生徒一人ひとりに寄り添う教育を実践しています。

はじめに、今井基也教頭に公文式学習導入の動機をお聞きしました。
「本校には、小・中学校時代に登校できなかった生徒が多く在籍しています。そこで、学び直しによって学習面で自信をもち自己肯定感を高めてほしいと考え、公文式学習を導入しました。『やればできる』体験を積み重ねることで、社会に出ていく意欲やチャレンジ精神が高まることを期待したのです」。

長岡英智高等学校が公文式学習を導入したのは、2016年でした。
「導入前は、生徒一人ひとりに合わせたオリジナル教材を我々教員が作っていました。しかし、『やればできる』が実感できる課題を、能力の差が大きい本校の生徒たち一人ひとりに合わせて設定し続けることや、学習による生徒の能力の変化を判断することの難しさを感じていました。
そんなときに出会ったのが、スモールステップの教材を必要に応じてくり返して学習し、学習の様子や結果から習熟度を的確に判断することができる公文式学習だったのです」と今井教頭は当時を振り返ります。

『できる』をくり返して目標を達成

『できる』のくり返しで見つけた目標を達成
公文式導入当初を知る今井基也教頭(右)と
数学教諭の清田圭介先生(左)

そして公文式学習によって将来の目標を見つけた、ある生徒の事例を教えていただきました。
「中学校は入学式だけ出席して卒業、その後本校へ入学したその生徒は、加減算はできるものの、乗除算や分数計算はできない状態でした。しかし本校に入学した1年後には、公文式学習により計算力が大きく向上し、乗除算は8~9割の正答率、分数計算も半分程度はできるようになりました。
また計算力がついただけではなく、物事に粘り強く取り組むことで『できる』ことが増えることを経験した彼女は、様々なことにチャレンジするようになりました。
大学進学もその一つで、3年後には見事にその希望を叶えて卒業することができたのです」。

意欲やチャレンジ精神といった、公文式学習の学力以外の面への波及効果について、先生方は「学習した枚数を自分の目で確認し、すべてを100点にすることが『達成感』となり、自己肯定感につながる」「公文式学習によって身についた、一定の時間、課題に集中して取り組む力は、他の教科の授業や活動にも良い影響を与える」「学習への苦手意識がなくなることで、授業の理解がさらに進むようになる」と分析されています。

タブレットによる公文式学習の成果

タブレットでの公文式学習で、成果を実感

KUMONでは2023年1月よりタブレットで公文式を学習するサービス「KUMON CONNECT(クモン コネクト)」の提供を世界一部地域で開始しました。※1
「KUMON CONNECT」は、指導者とのヒューマンタッチな関わりを大切にしながら、公文式プリント教材と同じ内容をタブレットで学習することができるサービスです。

長岡英智高等学校はその研究開発モニターとして、2017年よりタブレットとスタイラスペンを用いた公文式学習をスタートしました。※2
指導する先生は、生徒がタブレットに書いた数字や文字をパソコンで見ることができ、一人ひとりに応じた採点・指導を行います。

先生方にタブレットでの公文式学習についてうかがったところ、「クラス全員の学習結果や進捗を一覧で見ることができるので、一人ひとりの課題が見つけやすくなった」「ほめる観点が増えた」「ミスが続いたり、解き方に困ったりしている生徒にはタイムリーに対応できるようになった」「解き方のアドバイスや励ましなど密にコミュニケーションできる」など、多くの利点を挙げてくださいました。

また、プリント教材からタブレットでの学習に切り替えた際に実施した生徒へのアンケートでも、「学習記録のカラー表示で、結果や成果がわかりやすい」「採点待ちの時間が少なくなり、学習時間を多く確保できる」「間違ったときに消しやすい」など、タブレット学習導入を歓迎する声が多く寄せられたそうです。

※1: 日本国内においては、現在、少数の公文式教室でのモニター検証中。今後の具体的なサービス展開の時期などは決まり次第発表。
※2: 2017年4月より研究開発モニターとして、タブレットでの学習をスタート。

公文式学習で将来に必要な力を

将来に必要な力を公文式学習で身につける

そしてこのアンケートでは、全員の生徒が公文式学習での学び直しについて、「満足している」と回答したとのこと。
「不登校を経験し、小・中学校時代にできなかったところを学べたので良かった」「最初は『嫌だな、面倒くさいな』と思っていたが、今はまったく思わない」「中学校の時より、計算に自信と力がついた」といった、生徒たちの前向きな意見は、先生方の公文式導入への確信につながりました。

導入から7年経った現在でも、長岡英智高等学校の先生方は公文式導入への確信をさらに深めています。
現在、公文式学習を担当されている清田圭介先生は、「学校生活では日々の学習やレポート提出など、『苦手なこと』にも取り組まねばならないことがあります。少々の困難があっても乗り越える力など、将来社会に出たときに必要な力を身につけるトレーニングが、公文式学習を通じてできていると感じています」と話します。

最後に、今井教頭に今後の抱負を聞きました。
「公文式学習によって自分自身の能力アップを自覚することが、自己肯定感につながります。高校生活での自身の成長を実感して、次のステージにチャレンジしてほしい。
そのためにも私たちは、生徒の能力がより伸びる体制づくりを目指し、さらに努力を重ねてまいります」。

公文式学習が目指しているのは、未知の課題にも自学自習で取り組むことができる高い基礎学力と学習姿勢を身につけること。自ら考え行動する姿勢を身につけ、社会に出ていろんなことにチャレンジしてほしいと願う長岡英智高等学校の取り組みを、KUMONはこれからもサポートしてまいります。


関連リンク 公文教育研究会 施設・学校向け公文式導入事業公文教育研究会 施設・学校向け公文式導入事業 「学校での公文式」公文教育研究会 「KUMON CONNECT」 世界一部地域で先行展開スタート学校でのKUMON-東京女子学院中学校|KUMON now!学校法人 英智学院 長岡英智高等学校

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