日本固有の動物、身近な動物の魅力を広めていきたい
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休みの日は、しいたけ農家さんの「菌打ち」を手伝ったり、野鳥観察をしたりと、やっぱり自然を満喫しています(笑)。対馬に来る前は「よそ者扱いされるかな」と不安でしたが、来てみると家族のようにやさしく接してくれる方ばかり。人と人との距離が近く、プライベートがないとも言えますが、「自分のことを覚えてくれてうれしい」という気持ちのほうが強く、私にとっては居心地がいいところです。
じつは、縁もゆかりもなかった対馬での就職を決めたのには、対馬の自然に興味が湧いたほか、「考える時間を持ちたい」と思ったことも理由でした。センターの事務補佐員は3年間という任期が決められているので、この間にしっかり自分の今後を考えたい、まったく知らない環境で一人で暮らしてみたいという、ある意味挑戦をしたくなったのです。任期は残すところあと1年。飼育現場にも関わることができる恵まれた環境で、改めて「動物と接する仕事をしていきたい」と、自分の方向性を再認識することができました。
動物園でヤマネコを見たときは、単に「かわいい」と思うだけでしたが、対馬に来て、いろいろな歴史や背景があり、多くの人が関わっていることを知りました。日本古来の動物は意外と地味で、動物園ではライオンやキリンなど花形の動物に目が行きがちです。しかし、せっかくなら自分たちと共にこの日本に住む生きもの、身近な生きものにも目を向けてもらいたいという思いが、一層強くなりました。
任期中は、もちろんツシマヤマネコをはじめとした対馬の自然の魅力を発信していきたいですし、今後、対馬を離れたとしても、自分が暮らす地域の、小さくて地味かもしれない生きものたちの魅力を、多くの人に知ってもらえるような仕事をしていきたいと思っています。
関連リンク
対馬野生生物保護センター
『ツシマヤマネコ飼育員物語』
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後編のインタビューから -対馬での、対馬特有の生き物を守り、伝える活動 |