3年間、コトバを書き写して気づいた法則とは
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たとえば、映画『燃えよドラゴン』の「考えるな、感じろ」や、ドラマ『踊る大捜査線』シリーズの「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きているんだ!」という名セリフ、アサヒビールのCMのコピー「コクがあるのに、キレがある」といったものがあります。これらは単語そのものは違いますが、正反対のコトバを使っています。正反対のコトバを使うと、印象的になることに気づいたんです。この「法則」は、『伝え方は9割』で「ギャップ法」として紹介しています。
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このとき気づいたのは「ギャップ法」でしたが、これだけではなく、ほかにも法則があるはずだと思うようになりました。そうして意識してコトバに向き合うようにすると、いろいろな「法則」があることを発見しました。それらの法則については『伝え方が9割(2)』で、「強いコトバをつくる8つの技術」として紹介しています。
それまでは印象的なコトバは「ひらめき」や「センス」でつくるものと思っていました。しかし、ひらめかなくてもつくれるんだ、数学に公式があるようにコトバにも公式があるんだと気づきました。その法則に基づいてコピーを書くようになってから、私の人生は激変しました。数々の広告賞をいただくようになったのです。この気づきを、自分だけのものにしておくのはもったいない。伝えるのが苦手な人たちの助けになれば!と思って書いたのが『伝え方が9割』です。
じつはこのタイトル自体が「ナンバー法」という技術を使っています。この本は「伝え方が大切」という内容ですが、それをタイトルにしてしまっては、誰も手にとらないでしょう。「大切」を「9割」と、あえて数字にすることで、印象に残りますし、理解されやすくなります。