―― 今のお仕事についてきかせてください。
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グンゼ株式会社 研究開発部 第一研究室 西堀 公人(にしぼり きみと)さん |
グンゼの注力商品のひとつである、快適性を追求した肌着を作る装置開発と省力化に取り組んでいます。当社の商品でも最近は、縫い目がない完全無縫製のインナーが人気になっていて、とくに敏感肌の方に喜ばれています。
このほか私が所属している研究開発部 第一研究室では、繊維加工に関する研究と生理学的研究を通じて、よりよい心地よさやさらなる快適性を追求した、新たな製品開発と医療用具の研究を行っています。
―― どのような経緯で現在の道に進んでこられたのですか?
じつは小さいころはプロ野球選手を目指して、とにかく毎日野球に夢中でした。小学校のスポーツ少年団に始まって、大学までずっと野球一筋。私は投手だったのですが、大学時代に肘を故障してしまったことで、野球の道をあきらめざるをえなくなりました。このときは絶望の底に落ち込んだのですが、何とか気持ちを切り替えて、大学で専攻していた機械工学に向き合い、前を向いて将来を考えるようになりました。
そんななか、スポーツにも密接に関連するインナーウェアの製品開発に興味がわいたことや、チームワークを大事にする会社の雰囲気が自分に合っていると感じて、グンゼに就職しました。
―― 公文式学習の思い出についてきかせてください。
算数がずっと苦手で、それこそ問題を解くのに人の5倍も時間がかかり、しかも答えを間違えているような子どもでした(苦笑)。そんな私を見かねて、母親のすすめで小学5年生のころから公文の教室に通うことになりました。
初めは小学1年生くらいのたし算やひき算のプリントをひたすら解くところからスタートしました。これには正直なところ、恥ずかしいという思いもあったのですが、「やらなあかん、必要なことだから!」と自分自身を納得させて取り組んできました。算数の力がついてきているのを明らかに感じるようになり、英語と国語の学習も開始しました。公文以外の時間は野球漬けの毎日でしたが、最終的には中学2年生まで公文の教室でお世話になりました。数学は高校生レベルの内容まで学んでいたと記憶しています。
公文の学習で集中してくり返しやること、基礎的なところから根気よく取り組むことの大切さはこのときに身についたと思います。この点は、現在の装置開発における、「設計→試作→導入→改善」という仕事のサイクルにも通じているのではないかと思います。