小5の短期留学を機に、プロのバレエダンサーを目指す

バレエダンサーを目指すきっかけは、小学5年のときの短期留学でした。英国のバレエ学校に、1週間だけですが留学させてもらったんです。母も同行してくれましたが、現地では私は学校の寮に寝泊まりするので、母はそのあいだ別行動でした。外国人のなかで日本人は私ひとりきりでしたが、もともと人見知りをしない性格だからでしょうか、あっけらかんとしていたようです。言葉についても、小学1年から公文で英語を学習していたおかげか、特に違和感を感じることもなかったですね。
その留学中、たまたまロンドンで英国ロイヤルバレエ団のガラ公演を観る機会がありまして、そこにちょうど熊川哲也さんが出演していたんです。『ドン・キホーテ』のグラン・パ・ド・ドゥだったのですが、演技が終わると拍手と歓声の嵐。これを観て、「プロとして踊るというのはこういうことなんだ!」と大きな衝撃を受けました。
それまでも、小学校の文集などに「将来はバレリーナになりたい」と書いてはいたのですが、いまふり返れば漠然とした夢だったんだと思います。熊川さんの踊りを間近に観たことで、ただ踊るだけでなく、“お客様からの喝采を浴びることができるダンサーになりたい”という具体的な目標をもて、本格的に海外で修業をしたいと思うようにもなりました。