OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2014/04/11更新

Vol.008 フォトジャーナリスト 渡部陽一さん  後編

戦火のなかの子どもたちの声を
世界に届けて
彼らの笑顔を取り戻したい

渡部陽一 (わたなべ よういち)
1972年静岡県生まれ。大学在学中のアフリカ旅行をきっかけにフォトジャーナリストを志し、世界に飛び出す。これまで130ヵ国以上を訪れ、戦火のなかで人々に寄り添いながら取材を行う。写真展、著書、雑誌掲載等を通して作品を発表するかたわら、テレビやラジオへの出演、講演も数多い。静岡県富士市の観光親善大使も務める。

ゆったりとしながらも真摯な語り口が印象的な、フォトジャーナリスト、渡部陽一さん。死と隣り合わせの戦場に、何度も渡部さんを駆り立てるものとは、いったいなんなのでしょうか。 渡部さんが世界各地で体験し、挑戦することで学んできたことについてうかがいました。

人生の師に学んだ「ていねいに取り組めば、必ず答えは見つかる」

両親も穏やかで、穏やかな風の吹く家でしたから、僕がフォトジャーナリストになると話したときには大反対を受けました。そこで、両親と約束をしました。戦場に飛び込んだときでも常に近くにいる感覚を持てるよう、必ず毎日、何度でも電話をかけること、手紙を書くこと。21世紀に入ってからは、メールを打つこと。そして現場で撮った写真は必ず形に残るよう、発表すること。これを実行しながら、今日までカメラマンを続けています。日本にいるときも、両親には毎日電話をかけていますね。電話一本で、気持ちがスーッとつながるし、大きな心の支えになるんです。実はこれ、外国の友人たちから学んだことなんです。

両親以外で僕にとって大きな存在といえば、公文の先生です。公文の教室には小学校から高校を卒業するまで通っていました。先生はいつも僕に、「字を書くときには、ゆっくりでもいい、ていねいに書くのですよ」と言葉をかけてくださいました。ていねいに名前を書き、数字を書き、解答していく。ゆっくり、ていねいに、物を見て行けば、必ず答えは見えてくるのだということを、シンプルに教えてくださった気がします。素早い計算が必要なときもありますが、ていねいに解けば、知りたいことが滲みだしてくるのです。

それはもしかしたら、僕の話し方にも影響を与えているかもしれません。小さいころからゆっくり話す方ではありましたが、外国に飛び出したとき、言葉の分からない国で意思を伝えるときには、単語をゆっくり相手に伝えていくことで、どの地域の人たちも、話を理解してくれたんです。公文教室での先生の生徒への接し方、言葉のやりとり、すべてが好きで、先生は、僕にとって人生の師だと思っています。

公文といえば、先日、あるテレビ局のインドネシア取材で現地の公文教室を訪れ、感動しました。教室に入ってみると、子どもたちはこちらに背を向けて、一心不乱に机に向かっていたんですね。その背中から集中力が、やる気がむんむんと伝わってきたんです。そしてそのかたわらでは、先生が日本と同じように分からない生徒に教えてあげていたり、赤ペンをプリントにすべらせて採点していました。スーッ、100、スーッ、100と赤ペンをすべらせる様子も、プリントの匂いも同じで、懐かしく、嬉しかったです。子どもたちの一所懸命な姿に、胸が熱くなりました。

大きな可能性がある日本の若者とは?

関連記事

2014/04/04更新

Vol.008 フォトジャーナリスト 渡部陽一さん

戦火のなかの子どもたちの声を世界に届けて彼らの笑顔を取り戻したい

2015/07/24更新

Vol.022 トビタテ!留学JAPAN プロジェクトディレクター 船橋力さん

グローバル化で世界はひとつの村になる早いうちから世界に飛び立ち、 視野を広げる体験を積んでほしい

2015/07/17更新

Vol.022 トビタテ!留学JAPAN プロジェクトディレクター 船橋力さん

グローバル化で世界はひとつの村になる早いうちから世界に飛び立ち、 視野を広げる体験を積んでほしい

2017/09/08更新

Vol.047 女流棋士
カロリーナ・ステチェンスカさん

夢の実現は楽しく、そして根気強く つらくなったら初心を思い出し もう一度がんばろう

2013/12/06更新

Vol.004 フリーアナウンサー 久保純子さん

「学び」が「夢見る力」を創るそして、子どもが夢をもつには大人の在り方が大切

バックナンバー

2020/09/11更新

Vol.072 読売巨人軍 球団職員
矢貫俊之さん

行き詰まっても逃げないで あきらめずにぶつかって 答えは自分で見つけよう

2020/08/07更新

Vol.071 アート・トランスレーター
田村 かのこさん

今ある“型”にはまらなくていい 自分にできることを一つずつ進めていけば自ら“型”をつくることができる

2020/07/10更新

Vol.070 文化遺産コンサルタント
佐々木義孝さん

「今の環境でしか出来ないこと」から 「その環境で自分が夢中になれること」 を探して、実践していくと、道は開けてくる

2020/05/22更新

Vol.069 米ベンチャー投資家/京都大学特任准教授(DNX Ventures インダストリーパートナー)
山本康正さん

「見晴らしの良い場所」から 学ぶことで未来はよりよく見える

2020/03/06更新

Vol.068 バレエダンサー
ニコライ・ヴィユウジャーニンさん

「石の上にも三年」の気持ちで 一歩一歩進んでいけば 山も登れる

記事アクセスランキング

おすすめ記事 Recommended Articles
KUMONトピックス
Feature Report 進化し続ける活動
カテゴリーを表示
NEW
Vol.375
受験にもTOEFL Primary®、TOEFL Junior®!
日々の英語力を測定できる TOEFL Primary® TOEFL Junior® 入試での活用もますます進展!
Vol.374
感染対策の中での学習療法
こんなときだからこそ 笑顔で過ごしていただきたい ~学習療法のいま~
Vol.373
浮世絵から見える江戸時代の人々「神無月」
神無月に人々の暮らしに寄りそう留守神 ~商売繁盛と五穀豊穣を祈って~
Vol.372
~創始者公文公の言葉より~
    公文式の原点⑥            <ちょうどの学習>
スペシャルインタビュー
Academic Milestones 学びを究める力
NEW
Vol.064 前編
神田外語大学 特任講師
上原雅子先生
言語は「伝える」ためにある 「伝えたい」という気持ちを込めて 自分の意見を発言してみよう
Vol.063
往来物研究家
小泉吉永先生
江戸の知恵には学びがあふれている “好き”をとことん掘り下げて 出会いを引き寄せよう
Vol.062
筑波大学国際発達ケア:エンパワメント科学研究室教授・保健学博士
安梅勅江先生
「エンパワメント」の力が 「みんなが夢を持てる世界」を実現する
Vol.061
臨床心理士、国際TA協会公認交流分析家
末松渉先生
「心の危機」は成長の機会でもある 「学ぶ喜び」を知って 「生きる力」にしていこう
KUMON now! フェイスブックページ
KUMON now!に「いいね」して、子育てに役立つ情報を受け取ろう!