年末年始の過ごし方の違いにびっくり
今では年越しそばも食べるように
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来日してからもう13年が経ちます。その間、“人生を変更”して、今の奥さんとの間に2015年に娘が生まれました。それを機に、Kバレエ カンパニーを辞めてフリーのダンサーになりました。カンパニーに所属していると、どうしても家を空けなくてはならないことが多く、そうなると、これから子どもが生まれてくる妻を手伝うことができないからです。
もちろんカンパニーだと経済的に安定していますが、所属していてもダンサー人生はそれほど長くありません。お客さまは美しい舞台を見るために、公演に来てくださいます。そのとき、きっとおじさんよりも若い子の踊りを見たいと思うものでしょう?現役ダンサーとして踊れるのはだいたい30歳くらいまでですから、そのためにも次のキャリアを考えなくてはなりません。ただ、フリーになった後も、Kバレエ カンパニーで「キャラクターアーティスト」(個性の強い役を演じるダンサー)として、出演することもあります。
日本での生活はどうかと聞かれれば、「いろんな国があり、いろんなルールがあります。私は今、日本に住んでいるのですから、日本のルールで暮らしています」と答えます。
ロシアとの違いで一番驚いたのはお正月です。日本では、大みそかの12時までにお蕎麦を食べて寝ますよね。ロシアでは12時になったら花火を打ち上げて盛大にお祝いをします。朝まで大騒ぎですが、日本は静かですよね。最初に日本に来て「え?もう寝るの?」とびっくりしました。でも今ではそれにも慣れ、去年の年末もちゃんと12時までにお蕎麦を食べて寝ましたよ。
子育てにも少し違いがあると感じます。ロシアでは親は子どもを助けますが、日本の親は少し子どもに冷たい気がします。たとえば日本の親はよく、「なんでわからないの?」と、子どもを叱ることがありますが、それは私に言わせれば「親がちゃんと教えないから」。そういうときは鏡を見て言うといいですよ。自分に向かって「なんで?」と言うと、「あ、自分が教えてないんだった」と気づきますから。