原動力はすべて「憧れ」から
そこに近づくため、何をすべきかを考えて行動
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パリに渡った年の12月、初めてシンガポールで歌いました。その前にプライベートで訪れて、「ステキだな。こんなところで歌いたいな」と思うホテルやジャズクラブをリサーチし、そこに自ら売り込みに行き、その結果、契約をいただけたのです。その後も順調に仕事が入ってきて、一つ一つこなし続けていったら、次第にクライアントからオファーが来るようになりました。
思えば私の原動力はすべて「憧れ」から始まっているのかもしれません。3歳でエレクトーンを始めたのも、「姉のように演奏したい」という憧れですし、公文式教室が続けられたのもとことん向き合ってくださる憧れの先生がいらしたから。そして「あんなふうにカッコよく歌いたい」と思い、ジャズクラブで歌い始めました。
自分もあんなふうになるにはどうしたらいいか―― 言葉を換えれば、目標を定めて、そこにたどり着くために何をすればいいのかを、まずリサーチすることから始めていました。そこで情報を得て、では自分はどうするのがいいか、どうしたいかを考え、決断し、行動に移してきました。ベトナムで知り合ったアメリカ人からは「“T・D・A”(=Think・Decide・Act)が大事」と言われたことがありますが、まさにそうしてきたんですね。
もうひとつ、モットーとしていることがあります。それは「オファーが来たら必ずYes ということ」。これはボーカルの先生から教えられました。「ダメだったらそのときに考えればいい。Yesということで何らかの扉が開かれる」と。そして、「挑戦したい、やってみたい」という意思と頑張る姿勢、情熱が伝われば、助けの手を差し伸べてくれる人が周囲に現れる可能性も。
振り返れば、通訳の仕事も弾き語りも、経験がないのにYesと答えていた私。今も新しいチャンスが巡ってきたら、恐れずにつかむようにしています。これまでに経験したことのない新たな挑戦であったとしても、困難な状況に陥っても「きっとできる」と自分を信じて、自分にそう言い聞かせ続けています。