OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2014/04/04更新

Vol.008 フォトジャーナリスト 渡部陽一さん  前編

戦火のなかの子どもたちの声を
世界に届けて
彼らの笑顔を取り戻したい

渡部陽一 (わたなべ よういち)
1972年静岡県生まれ。大学在学中のアフリカ旅行をきっかけにフォトジャーナリストを志し、世界に飛び出す。これまで130ヵ国以上を訪れ、戦火のなかで人々に寄り添いながら取材を行う。写真展、著書、雑誌掲載等を通して作品を発表するかたわら、テレビやラジオへの出演、講演も数多い。静岡県富士市の観光親善大使も務める。

ゆったりとしながらも真摯な語り口が印象的な、フォトジャーナリスト、渡部陽一さん。死と隣り合わせの戦場に、何度も渡部さんを駆り立てるものとは、いったいなんなのでしょうか。 渡部さんが世界各地で体験し、挑戦することで学んできたことについてうかがいました。

コツコツ、地道な準備とリサーチが戦場での取材を可能にする

フォトジャーナリストはとりあえず現地に行ってから対応する、と思われるかもしれませんが、僕の場合、実際は取材のうち80%は地道な準備とリサーチで、残りの20%が現地での撮影です。情報交換、人脈固めなど、徹底的な準備が取材においてはとても有効です。例えば、突発的に事件が起きて避難するとき、誰とつながっているか、どちら側の国境を越えていくのか、バスを使うのか、車をチャーターするのか、軍の車両に乗せてもらうのか。「今まではこうだったから」と決めつけずに、いくつもの選択肢を作っておきます。現地の人々とのつながりを生かし、自分の立ち位置を明確にし、柔軟に動くようにしています。

戦場で取材をしていると、「おまえはどちら側か?」と必ず聞かれます。もちろん、どちら側でもないわけですが、私は、最初は攻撃を受けている側に入ります。なぜ被害をこうむり、どういう状況なのかを確認したら、次に攻撃している側に入ります。どんな状況で戦争が起こり、また終わらせようとしているのか。例えばイラク戦争では、まずイラク側で被害状況の声を拾い、その後に米軍側にも従軍記者として密着しました。双方の言い分のどちらが正しいか。外部の目と国連の監視が最後の“線引き”をする、その基準を見極めていく大切さを双方の取材から感じとります。もし国際的な裁判になった場合、理論を構築した側が無条件に勝つということにならないよう、監視の目を世界に広める。その情報を提供していくのも、フォトジャーナリストの仕事だと思っています。

どちら側にも入って行けるようになるには、時間がかかります。1回目で取材拒否なら3か月後にもう一度トライ。ダメなら1年後と、何年もかけて追いかけてコンタクトを積み重ねていきます。コツコツ緻密な作業を続けていくことで初めて、取材を進めていくことができます。これまで130ヵ国ほどまわっていますが、数十ヵ国の方々とは今もつながっていて、用が無くても現地の方々に電話を掛けたりメールをして家族の話をしたり、とにかく“呼吸”している時間を続けていく。それが特に、情勢が弾けたときに、瞬発的に動くエンジンを提供してくれます。仕事を離れても、移動中の空いた時間を使って遊びに行ったり、彼らが日本に来たときは一緒に遊んだりと、友人、家族のようになっています。

戦場の子どもたちが笑顔を見せる3つの瞬間とは?

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