アニソンの魅力に触れて

歌手を目指してはいたものの、中学から大学まで実際に行動することは一度もなくて、受験勉強だったりサークル活動だったり、目の前のことを必死にやっているという日々が続いていました。それがガラっと変わったのは大学生のとき。アナウンサー志望の友人がアルバイトしたお金で、大阪から東京までアナウンススクールに通っているのを目の当たりにして……。めちゃくちゃかっこよかったんですよ。それに比べて自分はどうだろうって。私も一歩踏み出さなきゃって考えていた矢先、偶然アニソングランプリの案内を目にしたんです。きっとこの友人が背中を押してくれたんだと思います。
アニメもアニソンもずっと好き。さかのぼると3歳のときに『スラムダンク』に出会って、そこからですね。『スラムダンク』は育ての親と思っているくらい(笑)。『スラムダンク』のアニメのオープニングとエンディングの曲を歌うと、どんなに体や心が疲れていても不思議とやる気が出てくるんです。
それから大学の軽音サークルのアニソン好きな先輩が「深夜アニメ」をたくさん教えてくれて、アニソンのコピーバンドに誘ってくれました。そこで『マクロスF』の主題歌『星間飛行』を初めて歌って、「やっぱりアニソンは最高だ……」って震えました。アニソンは、歌っている私自身のストーリーとアニメのストーリーが重なっている。だからみんなに届けたときの一体感はすごいし、頭のなかのイメージが何層にも広がっていくのが特別な魅力だと思います。
アニソンを歌うならもっともっと綿密にアニメを好きにならなきゃいけないと思っていた時期もありましたが、そうじゃなくて、ただただ自分の気持ちを素直に表現することが大事なんだということが最近ようやく分かってきた気がします。