トップ > KUMON now! > スペシャルインタビュー > 終わりのない将棋の極みへ 可能性のある限り一歩ずつ上を目指していきたい

スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2023/02/10更新

Vol.073

特別対談 棋士 藤井 聡太さん  後編

終わりのない将棋の極みへ
可能性のある限り
一歩ずつ上を目指していきたい

藤井 聡太 (ふじい そうた)

2002年生まれ、愛知県瀬戸市出身。師匠は杉本昌隆八段。2016年に史上最年少の当時14歳2ヵ月で四段昇段(プロ入り)を果たす。2022年には最年少五冠を獲得し、現在は「竜王」「王位」「叡王」「王将」「棋聖」のタイトルを保持。

2016年の棋士デビューから瞬く間に頭角を表し、無敗での公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立。最年少記録を次々と塗り替えながら、2022年現在、5つの将棋タイトルを保持する、将棋界を代表する存在となった藤井聡太竜王。そんな藤井さんの将棋の原点が、じつはくもん出版の「スタディ将棋」でした。藤井さんが頂点を目指して、一歩一歩積み上げてきたこれまでのあゆみと、公文式学習の共通点を、公文教育研究会 代表取締役社長の池上秀徳との対談を通じて探ります。

AIでは測れない人間同士の対局だからこその学びもある

池上:
今はAIと練習する機会も多くなってきていると思うんですが、人間と対局するときとAIとでは、気持ちの高ぶりが違うというところはあるのでしょうか。

藤井:
そうですね。普段の練習ではAIと対局したり、他の棋士の方と指していただいたり、両方あるんですが、やはり感覚が異なります。
もちろんまったく違うというわけではないんですが、ただやはり局面における進め方にはその人の個性があります。だからAIとの対局を使っているだけでは習得できないところ、人間同士で指すからこそ学べる面もあるので、どちらも大事なのかなと考えています。
そして対局ですと、必ず持ち時間というものがあって、それに合わせて指さなくてはなりません。AI相手ですとその制約がなく、自分が好きなだけ考えられるところもあるので、その違いもあります。

池上:
AIと違って人間には個性があります。将棋でいうと相手の方の「棋風」になるのでしょうか。藤井さんは相手の棋風を意識されるものでしょうか。

藤井 聡太さん

藤井:
もちろん、ある程度は相手の棋風によって、どういう展開になるかの想定はします。
でもその相手がこういう棋風だから、こういうふうに指してくるんじゃないかということばかりにこだわっても、そううまくは運びません。
ですのでやはり、相手の棋風というよりは、自分自身の一手に集中して対局します。

池上:
相手の研究も必要ですが、やはり、最後は自分でしっかり考えるということが大切だということなのですね。
最近の将棋の対局では、ある程度はAIが事前に想定した定跡局面まで進むことも多いと聞きます。その想定局面まで行ってからが考えどころ、勝負どころとなるものなのでしょうか。

藤井:
序盤については最近かなり定跡が整備されていて、その定跡のまま中盤、あるいは終盤に近いところまでいくというようなことがあります。
とはいえ変化もすごく多いですから、定跡から外れる可能性もかなり高いです。そのどちらにも対応しなければなりません。定跡を深く突き詰めていく一方、それが外れた時に対応できなければならないわけで、そのバランスはすごく難しいところです。

自分の可能性を新たに知ることがモチベーションに

関連記事

2023/02/03更新

Vol.073 特別対談 棋士 藤井 聡太さん

終わりのない将棋の極みへ 可能性のある限り 一歩ずつ上を目指していきたい

2021/06/04更新

Vol.068 特別対談 未来を生きる子どもたちのために①

これから求められるのは 自ら課題を発見して解決できる人材

2021/11/05更新

Vol.070 特別対談 未来を生きる子どもたちのために③

学び合いが創り出す KUMONならではのホスピタリティ

2021/05/28更新

Vol.068 特別対談 未来を生きる子どもたちのために①

これから求められるのは 自ら課題を発見して解決できる人材

2021/10/29更新

Vol.070 特別対談 未来を生きる子どもたちのために③

学び合いが創り出す KUMONならではのホスピタリティ

バックナンバー

2023/02/03更新

Vol.073 特別対談 棋士 藤井 聡太さん

終わりのない将棋の極みへ 可能性のある限り 一歩ずつ上を目指していきたい

2022/11/18更新

Vol.072 名古屋大学博物館 機能形態学者
藤原 慎一先生

さまざまな知識が ひも付いたときが研究の醍醐味 そのために学びをどんどん拡げよう

2022/01/21更新

Vol.071 メディアと広報研究所 主宰
尾関 謙一郎さん

多角的な見方を磨き、 自分だけの価値を見つけよう

2021/10/29更新

Vol.070 特別対談 未来を生きる子どもたちのために③

学び合いが創り出す KUMONならではのホスピタリティ

2021/08/27更新

Vol.069 特別対談 未来を生きる子どもたちのために②

生涯にわたって必要なのは 自ら「自学自習」できる力

記事アクセスランキング
おすすめ記事 Recommended Articles
KUMONトピックス
Feature Report 進化し続ける活動
カテゴリーを表示
NEW
Vol.478
家庭学習調査2022(3)
自学自習による効果と子どもの未来への希望
家庭学習調査から見える 新しい生活様式での変化 教育ICTスキルや子どもの未来への希望は?
Vol.477
家庭学習調査2022(2)
教育ICTスキルの習得機会や期待
家庭学習調査から見える 新しい生活様式での変化 教育ICTスキルや子どもの未来への希望は?
Vol.476
ベトナム人技能実習生が学習療法実践士に
皆のサポートが一人の成長に 一人の成長が皆の成長に ~言葉の壁を乗り越え施設に笑顔が広がるまで~
Vol.475
家庭学習調査2022(1)
子どもの家庭で過ごす時間の変化
家庭学習調査から見える 新しい生活様式での変化 教育ICTスキルや子どもの未来への希望は?
OB・OGインタビュー
Catch the Dream 夢をかなえる力
NEW
Vol.094 後編
メンタルトレーナー
加藤史子さん
夢に大小はなく、いくつあってもいい 自分の「心の取り扱い方」を知って 夢を叶えていこう
Vol.094 前編
メンタルトレーナー
加藤史子さん
夢に大小はなく、いくつあってもいい 自分の「心の取り扱い方」を知って 夢を叶えていこう
Vol.093
弁護士・ニューヨーク州弁護士
松本慶さん
少しずつでも前進すれば大丈夫 「一日一歩」の精神で歩いていこう
Vol.092
丸紅インドネシア代表
笠井 信司さん
経験に無駄は何ひとつとしてなく 将来に必ず生きる “Discipline”を身につけよう
KUMON now! フェイスブックページ
KUMON now!に「いいね」して、子育てに役立つ情報を受け取ろう!