メディアと広報の「越すに越されぬ溝」を埋めるために
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私が新聞社を定年退職したのは2010年。その1年前に、定年後に向けて3つの目標を作りました。1つめは「地元への貢献」です。これは地元の教育委員や少年野球チームの代表という形で実現しています。2つめは「マスコミの後輩を育てる」。実際、複数の大学でマスコミ論や広報メディア論を教え、10数人の教え子を記者として送り出すことができました。そして3つめが、「メディアと企業広報をつなぐ」ことです。そのために「メディアと広報研究所」を立ち上げて活動しています。
私は新聞記者として約20年、さまざまな企業や人物を取材し、その後約15年は広報部長や宣伝部長など務め、取材を受ける側になりました。立場が逆転し、取材する側・される側の両方を経験したことで、メディアと広報にはお互いに「誤解」があることに気づいたことが、この研究所を立ち上げるきっかけになりました。
「誤解」とは、例えばメディア側は、「企業の広報は自分の会社をガードするだけ。自社内のことはよく知らないのに、マスメディアに対しては偉そうにしている」。その一方、広報を仕事にしている側は、「メディアはわかったふりをして聞いているが、本当にわかっていないのではないか」といったことです。それぞれが勝手に思い込み、「越すに越されぬ溝」がある。その溝を埋めたくて定年退職を機に活動を始めました。
具体的には、企業広報の幹部、中堅、若手担当者を対象に、メディア関係者を講師に招き、マスコミ業界の実情や取材対応のコツなどを解説する研修を開催したり、企業広報についてのコンサルティングを行ったりしています。
こうした研修は、他でも開催されていますが、多くは参加者が40~50人規模です。対して私の研修会では、「少人数広報研修会」と銘打ち、最大でも10数人、かつ1業種1社としています。そうすることで、よりホンネで語り合いやすく、濃い情報交換が期待できるのです。
近年はデジタル化、リモート化が進み、直接会わなくて済むことも増えてきました。コロナ禍でそうした傾向は加速してきています。しかし私は、コミュニケーションというのは直接会ってこそ深まるものだと考えています。そこをどうカバーできるかが、これからの課題です。
私の研修会もコロナ禍でオンラインでの実施となって、ちょっともどかしく感じているところです。一方でSNSなどにより、いろいろな情報が簡単に得られるようになってきました。企業も、よりメディアを意識することが増えてきているのではないかと思います。

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