目に見えないからこそおもしろいサービス業の調査
私が研究対象としているサービス業は、観光や飲食、宿泊、鉄道、通信、金融など幅広く、日本のGDPの70%を占めているほど大きな市場です。サービスは目に見えませんが、それを商品として定義し、価格をつけて普及させていく ――そのプロセスがマーケティングなのですが、そこに興味を持ち、大学時代から現在まで研究を続けています。
具体例として、フィットネスクラブのマーケティングについて説明しましょう。フィットネスクラブへの入会は、4月に増えて連休前になると落ちていき、6月になるとまた増えるというように浮き沈みがあります。この浮き沈みをいかに分散して入会いただくかお客さまが入会されない時期にいかに入会いただけるようにするかを考えるのがマーケティングの技です。
モノの場合は、売れなければ在庫として置いておくことができますが、サービス業はモノがないので在庫として置くことができず、別の方法を考えなくてはなりません。それがサービス業の難しさでありおもしろさです。
マーケティングの中には様々な市場調査がありますが、私はCSI(=Customer Satisfaction Index:顧客満足度指数)の調査を専門にしています。ごく簡単にいうと、「消費者目線でサービスを評価する」調査です。後編で詳しく説明しますが、この調査は当初は国の施策として実施していました。2009年からは、国から独立して実施しており、毎年120万人から140万人の消費者を対象に、約30業種400社について顧客満足度を調査しています。
この調査はランキングすることが目的ではありません。実際にサービスを利用したお客さまがサービスをどう見ているかを素直にデータ化し、経営指標として活用してほしいと考えています。その指標を参考に自社の経営やサービスを見直せば、よりいいものを提供できるので、消費者のメリットにもつながります。
そのほかの調査には、ブランド調査や専門家が評価する「格付け」などがありますが、私たちが実施している満足度調査は、より広いサンプル(消費者)を対象に行い、データが偏らないようにしているのが大きな特徴です。

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