スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2020/10/23更新

Vol.064

神田外語大学 特任講師
上原雅子先生  前編

言語は「伝える」ためにある
「伝えたい」という気持ちを込めて
自分の意見を発言してみよう

上原 雅子 (うえはら まさこ)

東京都生まれ。神田外語大学英米語学科特任講師。NPO法人「国際人をめざす会理事」、一般社団法人「英語落語協会」理事。King's College, London(応用言語学)修士課程修了。駐ジョージア大使夫人として、1年の半分ちかくをジョージアに滞在しながら、ジョージアの魅力を日本に伝えるべく活動中。本業は大学英語講師で、特にTOEFL®指導、4技能統合型授業の推進、アウトプット系の指導法に注力。著書に『Speaking スキルが高まる必修ポイント8』『Writingスキルが高まる必修ポイント10』(共にくもん出版)など。

英語教育改革の最中にある今、柱となっているのが「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能を統合的に学ぶことです。現在大学で英語を教える上原雅子先生は、かねてより4技能統合型の英語教育の推進に注力、TOEFL ®の指導にも精力的に取り組まれています。一方では高座名「鹿鳴家一輪」としての「英語落語」の実践者でもあり、さらにはロシアやトルコに挟まれたコーカサス地方の国・ジョージアの日本大使夫人という顔もお持ちです。「英語嫌いの時期もあった」と振り返る上原先生に、英語力の伸ばし方やTOEFL® の意義のほか、英語落語やジョージアの魅力など、幅広い話題でお話をうかがいました。

やさしい英語をたくさん聞いて
「伝えよう」という気持ちで音読するのが上達のコツ

上原雅子先生

本年度から小学校5,6年生で英語が教科化されましたが、私自身は、小学校で教科化され、言語活動として英語を学び、その後に知識として文法を学習するのは良い流れだと思いますし、必要な改革だと思っています。言葉はあくまでも手段なので、「英語を使って何をしたいのか」に早く気づくことがさらに大事で、早い時期に英語に触れればその可能性も高まるからです。目標によって学び方も違ってきます。

大学で教えていると、現在の日本の高校ではいろいろな教え方があるのだなと実感します。従来のように訳読中心の学校もあれば、コミュニケーション重視の学校もあり、そのため文法がわからない学生がいたりもします。コミュニケーション重視の方向性は間違っていないと思いますが、文法も避けて通れません。文法的に正しくないと、真意を伝えられないからです。言葉は「伝える」ためにあるので、音読をする際にも「ただ読む」のではなく「伝えよう」という気持で読むことが英語力を伸ばすポイントです。

公文式の英語学習でいいなと思うことのひとつは、音読を取り入れている点です。その際も、「ただ読む」のではなく、「先生に話の内容を伝えよう」という気持ちで読めば、効果が上がるでしょう。

私は4技能の中でもリスニングが大事だと思っています。リスニングは「音が聞き取れる」だけではなく、内容を即座に理解しなくてはなりません。音や単語、構成も自分の中に取り込んで咀嚼しなくてはならず、総合力が試されるからです。

ところが、リスニングに時間をかける人が少ないと感じます。学校で時間を割けないという事情もあるかもしれませんが、リスニングは本来自分でできることなので、積極的に取り組んでほしいですね。その意味では、公文式で使われている「E-Pencil」はよい教材だと思います。正しい発音を小さいときから知ることができますし、「聞く」ことは手軽でないとなかなか続かないからです。

ただ、自分の英語レベルより高い“理解できていない英語”を聞き流していてはなかなか上達しません。時間的に長く聞くのではなく、ひとつの話を深く聞くこと、スクリプトを用いて聞き取れていない原因を探り、意味の分かったものを聞くことが大切です。「わかった」からとすぐに次のレベルに進むのではなく、その「わかった」話を何回も繰り返し聞いて、「わかった」という成功体験を積み重ねることがポイントです。

つまり、英語力アップの近道は、自分にとって「やさしい」と思う英語を、聞いたり読んだりする“量”を増やすこと。そして、読んだり聞いたりした内容を、人に「伝えよう」という気持ちで、書いたり話したりしてください。

自分の意見を「伝える」コツとしては、最初から「私はこう思う」というのではなく、何かを一緒に読んだり聞いたりして相手との話の土台をつくって、その上で自分の意見を相手に伝える、というプロセスが大切だと思います。

 

関連リンク
神田外語大学


 

 

後編のインタビューから

-英語指導者の道に進もうと思われたきっかけ
-これからの子どもたちに求められるグローバル人材とは?
-先生がこれまで大切にされてきたこと

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