TOEFL Primary®とは?
TOEFL Primary®は、130か国、9,000以上の大学や機関に認められている英語運用能力テストTOEFL®の新たなラインナップとして開発されました。8歳以上の英語初中級学習者を対象としたテストで、「読む力」(リーディング)、「聞く力」(リスニング)を測定します。レベルはSTEP1とSTEP2の2段階あり、レベルを選んで受験します。テストは、「どれだけ覚えたか」という記憶力を問われるものではなく、「どれだけ英語を使えるか」が問われる内容になっています。結果は、合否ではなくスコアで出ます。英語を学ぶ子どもたちにとって、世界に飛び出す「はじめの一歩」として活用いただけるテストです。
TOEFL Primary® ステップ1 |
TOEFL Primary® ステップ2 |
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対象レベル | 英語初級学習者 | 英語で何らかのコミュニケーションを とることができる学習者 |
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形式 | ペーパーベース (3択マーク式) |
ペーパーベース (3択マーク式) |
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問題数 | リーディング:36問 リスニング:36問 |
リーディング:36問 リスニング:36問 |
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所要時間 | リーディング:30分 リスニング:30分 |
リーディング:30分 リスニング:30分 |
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料金 (公開テスト個人受験) | 3,880円 |
※詳細は、記事末尾にあるTOEFL Primary®のページをご覧ください。
特徴① 世界基準のテスト
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Q.TOEFL Primary®の目的や意義を教えてください。
A.TOEFL Primary®の大きな特徴として、世界基準で英語力を測ることができるという点が挙げられます。国際共通語としての英語の力を測り、自分の英語力として示すなら、そのためのものさしは、世界で理解され、通用する基準である必要があります。 TOEFL Primary®は、ヨーロッパ共通言語参照枠(CEFR)という、世界で広く使われている指標でも、自分の英語力を測定できます。この点でも、TOEFL Primary®は世界への扉を開くことができるテストだといえるでしょう。
特徴② 結果は合否でなくスコアで出る“受けて楽しい”テスト
![]() リスニングのサンプル問題 |
Q.TOEFL Primary®を受験した生徒たちからは“受けて楽しい”といった声がよく聞かれます。どのようなテストなのでしょうか?
A.そうですね。 TOEFL Primary®は、子どもたちが楽しみながら受けられるテストだと思います。それは、ある場面設定の中に、自分が入り込んでいるように感じる問題も多くあるからです。TOEFL Primary®の問題は、世界の8歳以上の子どもたちの生活をベースにしているため、学校や家での場面が多く展開されています。
私は、TOEFL Primary®の開発会議に参加しましたが、さまざまな国の教育者や研究者が集まり、「この絵は、わが国の文化では問題文の意図通りに理解することはできない」というように、国や地域における文化の違いについての議論が白熱しました。絵や言葉からイメージできるものや解釈の仕方は文化の違いによって変わってくることがあるからです。TOEFL Primary®は、そういった文化の違いに配慮して作られています。日本の文化だけでなくグローバルな視点で作られているので、生徒はテストを受けながら異文化を感じられると思います。教師が「教えたいこと」を確認するテストではなく、学習者がテストを受けることを通じて「学びたいこと」を習得できる、学習者サイドにたったテストだと言えるのではないでしょうか。
また、テストの結果が合否ではなく、スコアで出るというのも、子どもたちにとっては英語を学ぶモチベーションにつながります。結果が合否で出ると、合格したら終わりと考えてしまうと思いますが、スコアで結果が出ると、前回からの自分自身の成長を具体的に知ることができ、次回の目標へとつながり、英語の学習とテストによる英語力の測定がよいサイクルになっていくと思います。私は、子どもたちにはTOEFL Primary®を受けることで、自分自身の課題を見つけ、次につながる学習ができるような、「自立した学習者」になってほしいと思います。
【高橋美由紀先生プロフィール】 愛知教育大学教授。外国語教育講座英語専攻、大学院教育学研究科英語教育専攻。京都大学博士(地域研究)。兵庫教育大学大学院助教授を経て、現職。外国語教育メディア学会副会長・中部支部支部長も務める。全国の小中学校外国語活動の調査、研究を行い、「小学校英語活動地域サポート事業」、「初等教育段階における英語教育のための教師研修会」などを数多く実施し、理論に基づいた実践的な指導法を紹介している。 |