スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2019/11/08更新

Vol.058

早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
澤木泰代先生  後編

言語を学べば、
知らなかったことを知ることができる
一歩一歩、「知るよろこび」「進むよろこび」を味わおう

澤木 泰代 (さわき やすよ)

熊本県八代市生まれ。熊本大学教育学部卒業後、熊本県公立中学校教員となる。その後、イリノイ大学修士課程(英語教授法)で学び帰国。昭和女子大学英米文学科助手を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程(応用言語学)へ。2003年よりETS(Educational Testing Service)妥当性研究センターにて、アソシエイト・リサーチ・サイエンティスト(常勤准研究員)、リサーチ・サイエンティスト(常勤研究員)として勤務。2009年より早稲田大学教育・総合科学学術院准教授。2014年より現職。主著に「大規模言語テストの妥当性・有用性検討に関する近年の動向」(『言語教育評価研究』誌掲載)など論文多数。

中学生のときから「毎日英語を勉強する」と決めて実行し、大好きな英語に関わる研究をされている、応用言語学の研究者、澤木泰代先生。TOEFL®の開発・運営で知られるアメリカの非営利教育団体、ETSの研究員をされていた経験などを活かして、日本の英語教育の向上に精力的に取り組まれています。応用言語学のおもしろさや、日本の英語教育の課題、学びの姿勢などについてうかがいました。

心の垣根をつくらずに、相手を理解しようという気持ちをもとう

早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授 澤木泰代先生

私はアメリカに計14年住んでいたので、その知見や経験を活かし、「表現するための英語力をつける」ためのテスト、学習方法、フィードバック方法などを整備していくのが今後の目標です。

保護者の方は、幼少時からの英語教育の是非について関心があるかもしれませんが、焦る必要はありません。早期教育は「英語に慣れる」メリットはあるかもしれませんが、私自身、中1からやり始めても困っていません。子どもの性格や学習スタイルは人それぞれなので、本人の興味に沿ってやっていければ良いと思います。

私の2人の子どもたちも、学習スタイルはまったく違います。上の子は他の子とおしゃべりしたり、ゲームやスポーツをするような英語のアフタースクールに通わせましたが、下の子はどちらかというとドリル派でした。親が無理強いせずに、本人が好きなようにやらせるのがいいのではないでしょうか。

ちなみにわが家で大切にしているのは「ありがとうと言う」ことです。アメリカにいたときの経験ですが、親はものを子どもに渡す際、無言で受け取ろうとする子には渡しませんでした。子に「Say thank you.(=ありがとうといいなさい)」と言い、子どもが「Thank you.」と言ったら「よく言えたね」とほめてから初めて渡すんです。我が家でも「ありがとう」と言わないと、ものは受け取れないことにしています。

語学の上達に必要なのは、月並みですが、「楽しみながら英語でコミュニケーションをとる」こと、「間違いを気にしないこと」でしょうか。大人になると「間違えたら恥ずかしい」となりがちですが、やはり様々な背景を持つ人と意思の疎通ができる楽しさを味わうことが一番。表現が不十分であっても、意味が通じるかどうかが重要で、語学力は経験とともについてきます。

英語に限らず、ある言語を知ることによって、今まで知らなかったことを知ることができるし、いろいろなところに仲間ができます。それはとても素敵なことです。そして、コミュニケーションのためには語学力はもちろん必要ですが、何より大切なのは「心に垣根をつくらないこと」。これは留学して実感しました。個性を認めるおおらかさ、どこの国の人であろうと心を開く。すると世界が広がります。基礎を大事にして、一歩一歩進みながら、学ぶ楽しさ、世界が広がる楽しさを、多くの方に味わってもらいたいと思います。

 

関連リンク
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早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授 澤木泰代先生  

前編のインタビューから

-専門は英語テストにおける「言語能力のプロファイリング」
-今の日本の英語教育の課題とは?
-「知らない世界」に憧れ、毎日英語を勉強した子ども時代

 
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