自分の興味を探索するため、他大学のさまざまな講義を聴講
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私は生まれは新宿ですが、体が弱かったこともあり、3歳の時に環境のよい北海道に引っ越しました。父は管理会計の研究者でありながら、いくつか事業も営んでいました。ぼくはチェロや絵を習ったりスキーをしたりと、子ども時代はいろんなことをしていました。ちょっと変わっていたのは、家庭内のDVもあったためか「あの世」に興味があり、お墓の絵ばかり描いていたことです。心の縁(よすが)を求める不安定な人間だったのだと思い返します。
中学生になると、文章で表現することが好きになり、詩を書くようになりました。当時は精神科医になりたいと考え、大学は医学部を受験しましたが、失敗。浪人のときに文転し、中央大学商学部に進みました。公認会計士サークルに所属しながら絵本作家の個展の絵に展示会ごとに詩をつけて絵本を出版したり、他大学の友人と雑誌をつくったりと、20代前半はクリエイティブワークに励んでいました。
商学部では最初は環境監査などを学びましたが、社会問題に関心があり、会計学よりも「変わったことをする人」と、「それをどう組織化するか」という経営組織論に興味が移りました。じつは大学時代は、他学部の授業のほか、哲学や仏教、言語学など、他大学で行われているさまざまな授業を聴きに行っていたのです。どの学問であれば社会の問題解決ができるか、何が一番おもしろいか、「人間のための学問とはなにか」を探していたのですね。
卒業後は、恩師に大学院に行くことを勧められ、北海道大学大学院に進学しました。北大に決めたのは、現在青森大学学長の金井一賴(かずより)先生の授業を受けたかったからです。さまざまな論文や書籍を読むなかで、「この先生の授業は面白そうだ」と感じたのが決め手でした。金井先生のほかにもさまざまな先生に導かれて、いまがあると思っています。その意味では先生と縁をもつのはとても大事。教師の仕事は「知的な誘惑」だといえるのではないでしょうか。
大学院を卒業後はコンサルティングファームに就職するつもりでしたが、幸いにも日本学術振興会(JSPS)の特別研究員に採用され、研究者の道を歩むことになりました。

2018/09/28更新
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2021/05/07更新
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2018/12/07更新
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2020/02/28更新
Vol.060 合同会社MAZDA Incredible Lab CEO
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2022/01/21更新
Vol.071 メディアと広報研究所 主宰
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Vol.070 特別対談 未来を生きる子どもたちのために③
学び合いが創り出す KUMONならではのホスピタリティ

Vol.074 前編
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Vol.437

Vol.023 後編

Vol.073 前編

Vol.080 後編
堀越英美さん


加藤史子さん
加藤史子さん