英語教師の「不安」や「自信のなさ」の軽減が
子どもにとってのよい授業につながる
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私の研究テーマは大きく2つあります。ひとつは小学校英語教育です。小学校の先生方がどういう教え方をしたらより子どもたちにとって効果的か、教え方の研究をしています。具体的には現在、秋田県教育委員会や県内各市の教育委員会と協力しながら教員向け研修プログラムを作っています。今年で6年目になりますが、毎年夏休みに、40人の先生にここ国際教養大学に集まってもらい、一週間缶詰になって英語教育を学んでもらっています。
このプログラムの狙いのひとつに、先生方の「英語を教える不安」を軽減することがあります。それが私のもうひとつの研究テーマ「外国語不安」です。日本人の多くは「英語は苦手」といい、私が実施した調査では小学校の先生の85%が「英語が不安」と回答しているほどです。2020年から英語が教科化されるのに、その状況ではいい授業はできません。そこで、先生方の英語への不安を和らげるプログラムを実施しています。
日本の小学校の先生には、ネイティブスピーカーのALTにはない小学校の先生ならではの「強み」があります。まず、当然のことですが日本語で子どものわからない部分を聞き取れること。そして他の教科も教えているのでその関連性を考えながら授業ができることなどです。
プログラムでは、そうした強みがあることをまず、理解してもらいます。そのうえで、本学には留学生が大勢いますから、参加した先生方が彼らと話す場を用意します。今まで外国人と話したことがない先生もいますが、「英語が通じた」ことが成功体験になり、それを積み重ねながら、授業で使えるフレーズを学んでいきます。
こうしたプログラムを受けることで、県内に「自信がついてきた」という先生が増えてきました。夏休みの研修プログラムでは毎年40人しか受講できないので、本学で受講した先生がリーダーとなって地域に広めてもらっています。この4月からは、これまでのプログラムを凝縮した校内研修用のDVDを秋田県内の小学校に配布する予定です。
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