スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2017/07/21更新

Vol.044 絵本作家・童話作家 正岡慧子さん  前編

思うと現れる
誰にも必ず訪れる人生の分かれ道
どう道を選ぶかが大切

正岡 慧子 (まさおか けいこ)
1941年、広島県生まれ。経営コンサルタント秘書、外資系広告代理店勤務、飲食店経営を経て、絵本作家・童話作家に。全国の子どもからお年寄りまでの「読み聞かせ、読みあい、読み語り」運動を推進。主な作品に『きつねのたなばたさま』(絵・松永禎郎、世界文化社)、『あなぐまのクリーニングやさん』(絵・三井小夜子、PHP研究所)等。日本児童文芸家協会理事を経て現在顧問。東洋医学を学び、薬膳の普及にも尽力している。

読後に心がじんわり温かくなる数多くの物語を創作されている絵本作家・童話作家の正岡慧子さん。喫茶店経営時代のひょんな出会いから作家の道を歩まれることになりますが、そのユニークな経歴は、興味を持ったら潔く飛び込む、好奇心と行動力にあふれているからこそ。挫折もあったそうですが、穏やかな口調で「いつも本に支えられてきた」と振り返ります。これまでの道のりのほか、絵本や本の魅力などについてうかがいました。

子どものことを知りたくて始めた「読み聞かせ」

私は絵本や児童文学の作家として、「思う・創る・書く」を基本に、自宅で仕事をしていますが、「読み聞かせ、読みあい、読み語り」のために外での活動もしています。

「読み聞かせ」は、私が子どもたちに絵本を読んで、聞いてもらう活動で、25~6年前から続けています。読み聞かせを始めたのは、「絵本は自分が作家になりたいために創るのではなく、子どもたちのために創るべきだ」と考えた時に、子どもたちのことをあまり知らないということに気がついたからです。

子どもたちを知るには、子どもたちに会うことが必要。それには読み聞かせを始めるのがベストだと思ったわけです。「人の前で話す練習もできる」ことも、もう一つの理由でした。やってみると、子どもたちとのつきあいが楽しくてやめられなくなりました。

「読みあい」は、読み聞かせの勉強をしたいという大人を対象にした勉強会のようなものです。1冊を数人で読むのですが、人によって読み方が違い、意外性もあって、楽しいですよ。お互いに読みあうと、「ああいうふうに読むといいのね」と気づきますし、「一人で読むのは恥ずかしい」と思っていた人でも、自信が持てるようになります。

「読み語り」はもう少し高齢の方々を対象にしたもの。子どもの頃に絵本がなかった時代の方々です。字を飛ばしたり間違えたりすることもありますが、みなさんとても上手です。お年寄りの声は昔話を読むのに最適なんです。「高齢者施設で読み聞かせをやるのはどうですか」と言われて始めましたが、最初は失敗しました。3冊ほど読むと、退屈され、寝てしまう方も出てきてしまって。そこで、次は短い昔話を用意して、皆さんに読んでいただくようにしました。すると誰も寝なくなったばかりか、声に味があり、話し上手だということがわかったのです。この高齢者施設での「読み語り」は、去年まで20年間続けました。

多感な高校時代に起きた転機とは?

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