なぜKUMONが歌と読み聞かせをすすめるのか?
KUMONでは、乳幼児期からの「歌いかけ・読み聞かせ」の重要性を伝え続けています。それは、公文式教室で順調に伸びていく子どもたちの観察・調査をしたところ、彼らに共通していたのは、生後間もなくから読み聞かせなどの積極的なことばのはたらきかけを受け、ことばに囲まれた豊かな時間を過ごしていることがわかったからです。
このことを発達心理学の側面から明らかにするために、KUMONは2006年度より白百合女子大学(田島信元教授・宮下孝広教授)と「歌いかけ・読み聞かせ」についての共同研究を開始。研究の結果、「歌いかけ・読み聞かせ」は、子どもの発達初期段階で、母子の相互行為を通した「親子のきずな」づくりに貢献することがわかりました。
これらの知見を背景に、KUMONは2012年6月から0~2歳台の子どもと母親対象の「親子のきずなづくり」を目的とした教育プログラムBaby Kumonをスタートしました。歌いかけ・読み聞かせなどの「親子のことばのやりとり」が家庭で楽しくできるBaby Kumonセット(絵本・うたぶっく・やりとりぶっくなど)と月1回公文式教室で行われるBaby Kumonタイムで、親子の家庭でのやりとりをサポートするものです。
今回の研究では、このBaby Kumonプログラムが子どもの発達に及ぼす影響と、母親の育児意識や育児行動にどのような影響・効果があるのかを検証しました。
歌いかけ・読み聞かせが習慣化する
Baby Kumonプログラムの経験のある母親とない母親の比較において、Baby Kumonプログラムの経験のある母親は、「読み聞かせ」活動に対しての意欲や時間が増加し、習慣化していることが示唆される結果が出ました。
一般的には、乳幼児に対する「歌いかけ・読み聞かせ」は、子どもが顕著に反応するようになる時期(1歳後半以降)になると、多くの母親が積極的に取り組むようになります。しかし、Baby Kumonプログラム経験のある母親は、0歳児や1歳前半児に対しても積極的なはたらきかけをしていることがわかりました。このことから、Baby Kumonプログラムのサポートによって、子どもの反応がそれほど顕著ではない0歳~1歳前半の時期の子どもに対しても、母親が楽しく「歌いかけ・読み聞かせ」に取り組め、習慣化していくことができるようになると考えられます。
Baby Kumonセットは母子間の「変化のあるやりとり」を促し 母親の子育て意識にも好影響を及ぼす
これまでの発達心理学の研究から、母子相互関係において、母親が子どもと向かい合い、その行動を受容して、子どもの行動の意味や感情をとらえて言語化する(ほめる、発展的な応答をする)といった「変化のあるやりとり」は子どもの全般的な発達には必須であると考えられています。
Baby Kumonセットには、「えほん」「うたぶっく&CD」「やりとりぶっく/カード」といった親子でやりとりを楽しむためのアイテムが入っています。これらは「変化のあるやりとり」ができるように配慮して制作されています。今回の調査では、Baby Kumonの経験のある母親の方が、経験のない母親に比べて「親子遊びの量」が多く、歌いかけ・読み聞かせに限定されない、その親子オリジナルの発展的なやりとりが行われていることが示唆されました。
それに加えて、Baby Kumonタイムで月に一度話をする「公文式教室の指導者の存在」と親子のやりとりの記録や子どもの様子を記入する「れんらく帳」とガイドブック(「やりとりレシピ」と「ベーシックブック」)も、母子間の「変化のあるやりとり」を成立させるうえで重要な要素であることも明らかになりました。Baby Kumonタイムで、指導者がわが子の成長を一緒に喜んで、自分の子育てについてほめてくれることは、家庭での子どもとのやりとりの意欲を高め、指導者やガイドブックから親子遊びの提案など「変化のあるやりとり」を展開させるヒントを得ることができます。
今回の研究を通じて、「歌いかけ・読み聞かせ」を中核としたBaby Kumonプログラムの経験が、母子関係にどのような影響を及ぼすかが明らかとなりました。KUMONでは、今後もより多くの親子に、Baby Kumonでご家庭での「歌いかけ・読み聞かせ」を楽しく行っていただけるよう、サポートしていきます。
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