スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2016/09/30更新

Vol.036 オノマトペ研究家 藤野良孝 先生  後編

五感を使った体験で
学びは「グングン」強化できる
オノマトペで人生豊かになる

藤野 良孝 (ふじの よしたか)
東京都生まれ。博士(学術)。文部科学省所管独立行政法人メディア教育開発センター研究開発部助教、早稲田大学国際情報通信研究センター招聘研究員、スポーツ言語学会理事などを経て、現在は朝日大学経営学部ビジネス企画学科准教授。専門は、オノマトペ、音声言語学、コーチング学、スポーツ心理学。『運動能力がアップする「声の魔法」1~3巻』(くもん出版)、『子どもがグングン伸びる魔法の言葉』(祥伝社)など著書多数。調査・実験で発見したオノマトペの効果を、テレビ・ラジオ・新聞などのメディアで積極的に解説。

オノマトペ研究家、コメンテーター、会話評論家、そして大学教員として活躍されている藤野良孝さん。日本語では「擬声語」と言われる「オノマトペ」を使って、毎日をワクワク楽しくするという研究を続けています。藤野さんによると、オノマトペはスポーツをはじめ、勉強、子育て、人間関係などにも効く「魔法のことば」。そのため黒い帽子に黒い服という魔法使いスタイルで、メディアを通じてオノマトペの効果を積極的に発信されています。その「魔法」とはどんなものなのかうかがいました。

日常生活に役立つ魔法のことば

オノマトペはドイツ語では、「音の絵」と言われるように、絵のようにリアルにイメージが浮かび上がる特性を活かして、さまざまなシーンで活用できます。スポーツでは「グッ」と発した時に力が入るけれど、「ニャー」では力が入らない。イメージに合わない音だと効果が見込めないことが実験でわかっています。

実験とはたとえばオノマトペを発声して、動きの速度や筋電の量など行動を測定し、この音韻はこの動きに効く、声の高さはこの時に一番力が出る、ということを量的な見地から解析するんです。

子育てにおける効果もたくさんあります。車は「ブーブー」、馬は「パカパカ」というように、オノマトペはリズムがあって楽しくて、子どもは発したがります。自主的に発声すると、言葉をたくさん覚えるだけでなく、横隔膜や声帯が鍛えられます。

また「モグモグ」と言いながら食べるとよく噛む習慣がついたり、玄関の鍵をしめるとき「カチャ」と声と動きを連動させると、戸締まりしたことを忘れないようにしたりもできます。日本語はあまり抑揚がないのですが、オノマトペにはあるので、声の抑揚から相手の気持ちを察知する力や、会話力、プレゼン力もつきます。

とくにぼくが学生に対して実践し、学習に効く魔法のことばをいくつかご紹介しましょう。まず、教室が騒がしい時は、口の前に人差し指をたて小さな声で「シーー」と言い、最後の「ン」で口を閉じます。「うるさい!」「静かに!」と違って、怒りがのらないので、学生も素直に静かになります。

次に緊張感のある「ピーン」。集中力がない子は姿勢が悪いことが多く、「ピーンとしよう」とか、授業中に寝ている子には「目をぱっちりしよう。ピーンだよ」と言います。

教育でぼくが大事だと思っているのは、相手が子どもであっても一人の人格者として認めること。上から目線でタテの関係で叱ってしまうと反発をうむんですね。行動にダイレクトに働きかけるオノマトペを使って、ぜひ水平目線で接してみてください。

「学び」をオノマトペで表現すると?

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