ママたちがスポーツを通して得たことは? ─ 結果よりもそのプロセスから学んだ
スポーツ経験とひとことで言っても、今回集まった7人のママたちは、陸上、水泳、バドミントン、ソフトボール、バレエ、チアダンスなどその種目は様々。小・中・高校・大学の部活動やサークルはもちろん、出産後に新たに始めるなど、経験した時期も始めたきっかけもそれぞれ違いました。けれど、どんなスポーツでもその練習過程は決して楽しいことばかりではなかったようです。
「地味な基礎練習をくり返している時は、つまらなくてしかたがなかった」
「妖怪人間のように怖い鬼コーチに理不尽なことで怒られて、何度もやめようと思った」
「どんなに頑張っても思うような結果がでなくて、悔し泣きをした」
それでも続けるなかで見えてきたことは?
「つまらないこと、小さなことの積み重ねが少しずつ結果につながっていった」
「つらい時こそ、チームワーク、仲間の大切さが身にしみた」
「たとえ負けてもやりとげた達成感は大きかった。悔しさはその後へのバネになった」
結果として、勝敗よりも苦しさを乗り越えてきたプロセスが自信になり、今の自分につながっていると言います。ママたちは練習の過程を通して、テクニックを習得するだけでなく、忍耐力、柔軟な対応力、チャレンジ精神、自己肯定感など生きていく上で大切なことを学んできたようです。
自分の子どもにスポーツをやらせたい? ─ 自分が経験したからこそ、子どもにも伝えたい
楽しいだけでなくつらいことも多かったスポーツ経験。「それでも自分の子どもにやらせたい?」という問いには、全員が「強制はしないが、機会は与えてあげたい」と答えました。その理由は、自分が大人になってふり返った時、「スポーツをしていてよかった」と思えたから。
「スポーツのチームは理不尽なことなんて山のようにある社会の縮図。それに渡りあっていける精神的な強さを身につけてほしい」
「小さなつまらないことの積み重ねがいつのまにか大きな力になっていたことに、大人になってから気がついた」
自分も親にすすめられてスポーツを始めたというママは、「その時はよくわからないままやっていたけど、今では機会を与えてくれた親に感謝している」と言います。自分自身が大切なことを、スポーツを通して学んできたからこそ、子どもにも経験させたい、という想いは受け継がれていくのですね。
他にも次のような意見が聞かれました。
「子どもと一緒にスポーツをすることで、親子の絆が深まった」
「思春期、反抗期のエネルギーをスポーツにぶつけて発散させることができた」
スポーツママならではの、子育てのコツとは? ─ 大切なことは、スポーツでも勉強でも同じ
それではスポーツママたちは、子育ての中で自分の経験をどのように活かしているのでしょうか。「子どもに何かを教える時に意識していること」を聞いたところ、3つの共通点が見えてきました。
1.基本をおろそかにしない
コツコツと基本をくり返している時は「なんでこんなことやっているんだろう」とわけがわからず、時には「つまらない」「もう嫌だ」と思ってしまうことも。けれど小さな積み重ねが大きな力につながることを根気よく教えています。
2.最初はまねから、そして自分で考えてチャレンジさせる
どんなスポーツでも、技術の習得はまねをすることから。その土台があってこそ、次に自分で考え、チャレンジしていく力が生まれます。
3.認めて、ほめて、伸ばす
叱られてばかりいると劣等感しか持てません。普段厳しいコーチに認めてもらった時のうれしさは格別。子どもに対しても、叱るよりほめてモチベーションをアップさせています。
こうして考えると、スポーツでも勉強でも大切なことは同じなのですね。スポーツに限らず、何かに打ち込んだことのあるママたちは共感できることが多いのではないでしょうか。自分が経験してきたからこそわかること。自信を持って子どもたちに伝えていけるといいですね。