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Vol.074 2021.01.08

女子レスリング選手
登坂絵莉さん

<前編>

「よくがんばったね!」
子どもを成長させる魔法の言葉
前へ前へと進んでいける

女子レスリング選手

登坂 絵莉 (とうさか えり)

富山県出身。小学3年生からレスリングを始め、中学時代に全国中学生選手権で優勝。至学館高校入学後は全国高校女子選手権を2連覇、至学館大学時代にも数々の大会で優勝を果たす。2013~15年世界選手権48kg級3連覇、2016年リオデジャネイロ五輪同級で金メダルを獲得。(インタビュー当時は東新住建に所属)

小学3年生の時に始めたレスリング、5年生から通い始めた公文式教室、親元を離れての高校進学と、一貫して自分の進む道を自分で考え、決断してきた女子レスリング選手の登坂絵莉さん。中学、高校、大学と進む中で、数々の大会で好成績を収め、2016年のリオデジャネイロ五輪ではレスリング女子48kg級で金メダルを獲得しました。一つひとつのことを大切にしてきたからこそ今があり、このことはレスリングにも公文式学習にも共通していると話します。レスリングとの出会いや公文式での思い出、大切にしていることなどについて、家族への感謝の思いとともに語っていただきました。

目次

    微妙な作戦や駆け引きが
    レスリングのおもしろさ

    登坂 絵莉さん

    私は残念ながら東京五輪予選で負けてしまったので、いまはケガの回復をしっかりやる時期だと思って、治療をしながら、 ランニングや筋トレを続けています。

    また、コロナ禍で在宅時間が増えたことを機に、同じ東新住建所属の土性沙羅さんと、「えりさらちゃんねる」と名づけたYouTube動画も公開しています。内容は、腹筋を鍛える「3分フッキングトレーニング」「減量飯」「スキンケア」など、身近な話題が中心です。少しでも楽しい時間を過ごしてほしいなと思って始めました。これをきっかけにレスリングにも関心を持ってもらえたらうれしいですね。

    レスリングというのは、すごく複雑で、球技などに比べてわかりにくいスポーツかもしれません。相手が、自分が思うように動かなかったりする中で、自分が考えた作戦を組み立てていきながら相手を動かして得点につなげるスポーツです。右に来ると思わせて左に変えたりと、ある意味“騙しあい”の繰り返し。心理的な作戦も必要です。いろいろな相手といろいろなパターンの練習を繰り返していくことしか、上達の道はないように思います。

    小さい頃の私は、外遊びが大好きで、とにかく元気な子どもでした。共働きの両親のもと、生後2ヵ月から保育園に預けられていたので、保育園でいろんなことを覚えました。そして、できるようになったこと――たとえば鉄棒や縄跳びなどを、迎えに来た親に見せるのがとても楽しみでした。

    やりたいこと、興味のあることも多くて、英会話やエレクトーン、テニス、水泳などを習っていました。すべて自分から「やりたい!」と始めたもので、親から強制されたことは一切ありませんでした。私がやりたいと言い出したことには反対せず、いろんな可能性を試しながら成長できる機会を与えてくれた両親にはとても感謝しています。

    兄について行って始めたレスリング

    小3からスタートしたレスリング
    強い男子に「追いつきたい」とがんばれた

    登坂 絵莉さん

    レスリングを始めたのは、小学3年生のときでした。学生時代にレスリング選手だった父が、インドア派の兄に運動をさせようと、地元のレスリング教室に連れて行くときに私もついていったことがきっかけです。そのときのマット運動が楽しそうで、自分もやりたいと思ったのです。結局兄は通わずに、私が通うことになりました。

    その教室はスパルタ式の指導ではなく、「レスリングを嫌いにならなかったらいい」という方針で、練習は2時間くらいのうち、約30分レスリングの練習をしたら、あとはレスリングマットの上で野球やサッカーをすることもあって、すごく楽しかったのを覚えています。試合で負けても怒られることもなかったので、その分レスリングものびのびできました。

    教室に通ってくるのは、ほとんどが男子で女子は私ともう一人だけ。男子のほうが体力的には勝るので、なかなか勝つことはできず悔しかったですね。でも、いつも自分より強い男子がいてくれたお陰で、そこに追いつこう、追い越そうとがんばれたのだと思います。

    レスリングに関しては、コーチ役の父と二人三脚で励み、母はレスリングのことには一切口を出さず、食事に配慮してくれたり試合時にビデオ撮影をしてくれたりと、さまざまなサポートをしてくれました。兄も協力的で、私が試合などで県外遠征が増えてきて、家族が私中心の生活になっても、みんなが私の生活に合わせてくれました。ほんとうに家族あっての私だと思っています。

    公文式学習で学んだステップを踏む大切さ

    公文式で学んだ「一つひとつのことを大切に」

    登坂 絵莉さん

    いろんな習い事をした中で、長く続いたのが、2歳のときから通っていた英会話教室です。クリスマス会など教室でやる行事が楽しくて、そのうち英語そのものも好きになっていきました。

    ちょっと違う教室に通いたくなってきた小学校5年生のとき、公文の教室に通っている友だちが多かったこともあり、公文のほうに通うことにしました。習っていた科目は英語だけです。

    私は、順番がついているものやレベルがあるものをクリアしていくことが好きなので、公文式は自分にあっていたと思います。やればやるほどどんどん進んでいくのがおもしろいし、自分が成長しているのがわかるんです。負けず嫌いな性格でもあるので、「友だちを抜かしたい!」とがんばっていました。

    そうして公文が大好きになったので、教室が始まる前から行ってしまい、「まだ始まってないよ」と先生に注意されたこともあります(笑)。学校帰りに走って公文の教室に行き、終わったら走って家に帰り、それからまた走ってレスリングの練習に行く。大変そうに思われるかもしれませんが、そんな意識はなく、むしろ走るのは体力作りになっていいと思っていました。

    公文の英語は中3まで続けていました。学校の授業で、公文でやったことが出たり、忘れてもすぐに思い出せていたので、中学でも高校でも英語は得意で、成績もよかったですね。中学2年で初めて海外遠征でスウェーデンに行ったときは、話すことはあまりできませんでしたが、聞き取ることはできました。これは公文式学習で英語を学んでいたお陰だと思います。

    ほかにも公文に通っていてよかったと思うことがあります。それは、一つひとつのステップを大事にする習慣がついたことです。ステップを大事にせずに、急いでババ―ッとやってしまうと、途中で振り返ったとき「あれっ?へんだな」となってしまいます。基本を抑えてから次に進むというステップを大事にする体験というのは、公文でもレスリングでも共通することだと思います。

    後編を読む

    関連リンク

    東新住建レスリング部登坂絵莉TwitterYouTubeえりさらちゃんねる


    登坂 絵莉さん   

    後編のインタビューから

    -英語を学ぶことで考え方も変化すると気づいた海外経験
    -「たとえ負けても成長する姿を見せたい」が結果につながる
    -まずほめてくれたから素直に入ってきた父の教え

    後編を読む

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