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Vol.066 2019.12.13

ジュエリーアーティスト
Lily/福嶋真由子さん

<前編>

楽しいこともつらいことも
すべてのことには意味があり
「学び」「チャンス」につながる
経験となる

ジュエリーアーティスト

Lily/福嶋 真由子 (リリー/ふくしま まゆこ)

福岡県生まれ。高校時代はスイス公文学園で学び、ヨーロッパの歴史ある様々な芸術・文化に触れる。相手を想いながら作るハンドメイドならではの温かさに魅了され、独学でジュエリーを作り始め、その後本格的にジュエリーアーティストの道へ。2010年には自ら「ROSE&CIGAR」を立ち上げる。2016年にK18・天然素材を用いた「irodori by You&Lily」もスタート。オンラインストア、百貨店などでの展示販売のほか、ハワイのセレクトショップでも販売している。

中学3年生のとき、オーストラリアでホームステイを体験したことで、海外留学に関心をもった福嶋さん。父親を説得してスイス公文学園(KLAS)へ進学し、様々な体験を重ねました。俳優をめざしていた時期もありましたが、病気で断念。それから間もなく、ハンドメイドジュエリーの温かさに感銘を受けます。人生でのつらい時期に何度も仕事につながる転機が訪れ、現在はジュエリーのデザインだけでなく、制作や販売、自身のブランドのPRなどを行い、幅広く活躍中です。その行動力やチャレンジ精神、現在のお仕事につながる感性は、KLASで培われたそうです。スイスではどのような生活を送られ、どのようにして現在のお仕事をするようになったのでしょうか。

目次

“Lily”という名前に込めた想いとともに
ハンドメイドにこだわり2ブランドを展開

私はジュエリーアーティストとして、ピアスやリングなどのジュエリーをデザインし、制作しております。オンラインやハワイのセレクトショップで販売しているほか、全国の百貨店の催事に出展したり、年に一度、東京・代官山で展示受注会も行っております。

現在、2つのブランドを展開しております。ひとつは、スワロフスキークリスタルを用いた「ROSE&CIGAR」というブランドです。おめかしするとき、自信を持ちたいときに背中を押してくれ、新しい自分の魅力に出逢うジュエリーになればという想いで制作しております。

もうひとつは、「irodori by You&Lily」(以下「irodori」)。肩の力を抜いたナチュラルな“自分らしさ”を楽しみましょうというメッセージを込めております。私がこの道に本格的に進むきっかけとなった、ハワイの美しい太陽の光や雨粒、そよ風や波音など、自然からインスピレーションを得てお届けしているブランドで、カジュアルラインとラグジュアリーラインの2種類で展開しております。

福嶋真由子さん
“Misty Rain” (ご本人提供)

ジュエリーにはどれもタイトルとストーリーがあります。たとえば「irodori」の「Misty Rain」は、お天気雨の中、太陽の光でキラキラ輝きながら宙を舞う雨粒をクリスタルガラスと淡水パールで表現しました。雲間から太陽の光が差している様子を長さ違いで輝くチェーンとフラットなチェーンで表現した「Sunlights from the Cloud」や、「タテの虹を見ると幸せになれる」というハワイの言い伝えからヒントを得て、7色のクオーツで虹を、クリスタルクオーツと淡水パールで雨粒を表現した「Rainbow&Tear」などもあります。また、貝殻やサンゴ、羽根などの自然素材も頻繁に使用しております。自然の一部を身にまとっているかのように心地よく、日々に彩りを添え、身につける方にとってお守りのような存在になれば、と願いを込めて一つひとつハンドメイドしております。

海外では「まゆこ」という名はなかなか覚えてもらえず、ニックネームの必要性を感じたことがきっかけで、今はプライベートでも仕事でもLilyという名を使用しております。

なぜLily、「ユリ」かというと、友人から「白いユリっぽいね」と言われていたこと、両親共にカサブランカが大好きで、実家の玄関に常にカサブランカが飾られていること、そしてもう1つは、59歳で他界した父の病室にもいつもカサブランカを飾っていたこと。ある日私が病室で父のそばにいたとき、静寂の中つぼみが音とともにふわっと開いたのです。めったに遭遇できない瞬間に居合わせ、父と「あ、今音がしたね」と笑顔になったことが、とても大切な思い出となっています。家族との繋がりを感じられるというのが、私がLilyという名を大切にしている大きな理由です。

福嶋さんに影響を与えた両親・祖父母のお人柄は?

美術館に連れていってくれた祖父母の影響で
本物を見る目を養う

福嶋真由子さん

麻酔科医だった父は、人のために役立ちたいという思いが強く、闘病中でも患者さんのことを気にかけておりました。温厚でいつもニコニコしていて、おっとり型。カメラが趣味で自然や動物の写真を撮るのが好きでした。一方で母はポジティブで好奇心旺盛な性格。今でも様々な資格取得に挑戦したり、一人で留学してしまうほどです。そんな両親のもと、私は福岡で生まれ育ちました。あらためて教育方針を聞いたところ、協調性や相手の立場になって考えることを大切にするよう育ててくれたそうです。

絵画やピアノ、バレエ、英会話、水泳など、いろいろな習い事に興味を持った私に、両親はチャレンジする機会を与えてくれました。絵画については、アートに精通していた祖父母の影響が大きかったと思います。祖父母とも個展を開くほどで、「本物を見る目を養いなさい」と、小さい時からよく美術館に連れて行ってくれました。祖父母宅に行くと、ふたりともよく絵を描いていたので、私もその隣でマネをして描くなど、アートに触れる機会は多かったように思います。後に、KLAS在学中ヨーロッパの美術館巡りをしたときには、感動した作品をシェアしたくて絵はがきを選んで手紙を書いては日本に送っておりました。

公文式学習は幼稚園の頃から、算数と国語を始めました。そのおかげか、小学校のころは成績が良く、中高一貫のカトリック系の女子校に進学しました。そして中3の夏、学校のプログラムでオーストラリアを訪れ、ホームステイを初体験。そこから、「もっと世界を見てみたい」と留学に憧れるようになりました。

そんな時にタイミングよく、スイス公文学園高等部(以下、KLAS)のダイレクトメールが届いたのです。「絶対に行きたい!」と、母と説明会に参加すると、母は「ユニークな学校ね。若いときにこういう経験をしてもいいんじゃない」と、背中を押してくれました。渋る父を二人で説得。最終的には、心配していた父も根負けし、入試にも無事合格。そしてスイスで初めての寮生活がスタートしました。

スイス公文学園(KLAS)で身についたものとは?

先生方との距離が近いスイス公文学園
自然豊かなアルプスのふもとで得た一生の財産

KLASは全寮制なので安心感があり、見るものすべてが新しく、毎日が刺激に富んだものでした。校内の公用語は英語なので、最初は戸惑いもありましたが、少人数制でしたので、わからないことがあっても積極的に質問することができる空気感があり、何より先生方との距離が近いのが良かったと思っております。

KLASには「ファカルティ・ファミリー」というシステムがあります。先生方が「両親」、各学年の生徒たちが「兄弟・姉妹」となって一つのファミリーを構成し、各ファミリーで定期的に集まり、交流を深めると同時にサポートし合うというものです。何かに悩んだり困った時には相談することができたので、大変心強いものでした。

KLASがあるレザンという町は、とにかく自然が美しく、季節ごとに変化があるのですが、とくに冬は、白い雪山に夕陽が当たると美しいピンク色に染まっていくのが見られます。雄大な自然の中にいると、「自分の悩みなんてたいしたことない」と前向きになることができたものです。

福嶋真由子さん
ヴェネチアで友人たちと (ご本人提供)

寮生活では、3年間友人たちと濃い時間を共にしてきました。最初は異国の地での寮生活に戸惑いもありましたが、同じ環境で切磋琢磨しながら様々な経験を共にする内に、お互い真剣に向き合い、違いを認め、理解・信頼・尊重し合いながら共に成長することができました。この時の友人たちは家族同然で、一生の宝物です。国内外問わずそれぞれ活躍していますが、心の距離が近く、今でも折に触れ集まっております。

スイスはヨーロッパの真ん中にあるので、いろいろな国の文化を肌で感じることもできました。シティマラソンに出場したり、ホームステイ先のカナダでオーロラを見たり、ルーマニアへボランティアに赴いたり、イタリアでは友人4人と路上ライブをしたり……。海外留学は大学生や社会人になっても経験できますが、10代の感受性豊かな時期に経験すると、吸収することも違うのではないかと思います。

KLASで得たことを改めて振り返ると、3つのことが思い浮かびます。まず、トラブルに冷静に対応できるサバイバル能力が身についたこと。2つめは、世界のどこに行ってもものおじせずに話せる度胸とコミュニケーション力が培われたこと。そして最後に、日本文化の美しさを再確認できたこと。日本に住んでいると気づかなかった繊細で細やかな日本文化に誇りを持つようになりました。

後編を読む

関連リンク スイス公文学園高等部スイス公文学園高等部 卒業生インタビュー動画ROSE&CIGARirodori by You&Lily


福嶋真由子さん  

後編のインタビューから

-ジュエリーデザイナーになろうと思ったきっかけ
-壁にぶつかったときの幸運な出来事
-これからの夢と子どもたちへのメッセージ

後編を読む

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