固定概念を持たず、柔軟に考え
変化をチャンスととらえ活かそう
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従来のような「これをやったらいい」「この大学に入ったらいい」といった固定概念は全く通じないでしょう……と言われると、私たちの世代、子を持つ親である私も不安になります。そう考えると、親御さんたちが「自分が正しい」と思うことは、じつは正解ではないのかもしれません。ただ、若い人は、「未来は安心できない」と思っているようにも感じます。じつは親世代を見て、「親の言う通りにやってもしょうがない」なんて考えているのではないでしょうか。
そんな時代にあって、子どもたちには、世の中をよくしていくためにはどんな工夫が必要か、どんなやり方が必要かを、頭を柔らかくして臨んでほしいですね。どうしたらそうした力がつくかというと……私もそんな力をつけたいと日々考えています(苦笑)。ただ、私の長所のひとつは行動力。まずは動くところから始めています。私の場合は、動いて調べて、いろんな人と会って、いろんな人と話をして、いろんな本を読み、経験を増やすしかない。もちろん、このやり方だって正解かどうかはわかりません。
海外に出て学ぶことも必要だと思います。私は残念ながらドメスティックに生きてきましたが、今のJAXAの若いスタッフには、留学経験者も数多くいます。私たちの時代だと、会社に入ってから勉強するなんて……という感じでしたが、今は国内にもうそれほど数多くの学ぶネタがありません。だから海外で何かつかまえてこないとならない機運もあると思います。
そうなると、世界的な視野で考えることが求められて、いろいろな枠組みや仕事の規模を考えられる人が有利になってくるでしょう。ですから、子どもたちには、柔軟な価値観を持って、変化を不安と思わず、楽しんでチャンスに活かしていけるような考え方を持つようになってほしいですね。もちろん私自身も変化を楽しんで、新しい宇宙開発を進めていきたいと思っています。
関連リンク
JAXA宇宙航空研究開発機構
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後編のインタビューから -難しい道を選ぶ意義 |