公文式で学んで、数字に親近感を持つようになった
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子どもの頃の私は、とにかく手芸が好きでした。小学生の頃は、「1年生ではかぎ針編みをパーフェクトにこなそう」「2年生では紙粘土を極める」というように、その年のテーマを決めてものづくりに邁進していました。ビーズやフェルトの小物づくりなどの手芸だけでなく、陶芸や木工工作なども楽しくて、とにかくいろいろなものを作っていましたね。
ものづくりが好きというのは、両親の影響も大きかったと思います。父はとても細かい部品を組み立てて船の模型を作ったり、レンガの塀を作ったりしていましたし、母もパンやケーキをよく焼いてくれました。ものづくりの魅力って、時間を形に変えることができることだと思うんです。
この趣味は、今の仕事にも生きています。論文を読んで、「これを伝えるにはどんなものを使えばいいんだろう。そうだ、細胞壁の構造はビーズで再現できるんじゃないか」と考えつくことができるからです。最近では、結び目を作ってさまざまな形を作る「タティングレース」が、染色体を再現するのに使えそうだとひらめいたので、挑戦しようと思っているところです。
公文式は、母親に言われて小学校6年生から通いました。算数をやっていましたが、くり返し問題を解いていくうちに、だんだん記憶がたまっていって、数への意識が立体的になる感覚を味わいました。そして、計算が正確に速くできるようになっていくのもワクワクしました。公文では数をこなして体で覚えていきますが、そのうちそこから法則が見えてきて、新しいことを思いつくことができます。
仕事でも「守破離」という考え方がよく重要なものとされていますよね。新人のうちは上から言われたことを、まずはやってみる。そのうち、そこから真理を見つけ出し、自分独自のベストなやり方を編み出す。これが大切だと思うんです。
わが子にも自分が公文で身につけた「数に対する感覚」を得てほしくて、2人の子どもも公文でお世話になりました。
関連リンク
立教大学理学部共通教育推進室
工藤光子さんウェブサイト
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