動物関係の本を片っ端から読んでいた子ども時代
小さい頃、私の家ではたくさんの生き物を飼っていました。インコにニワトリ、猫に金魚、ハツカネズミ、そして虫やカメも(笑)。本が好きで、とくに生き物の本をたくさん読んでいましたね。椋鳩十さんの作品をはじめ、『野生のエルザ』や『シートン動物記』など、とにかく図書館にある動物関係の本を片っ端から読んでいるような子どもでした。
私の住んでいた家は京都のど真ん中で、祇園祭の山鉾が立つような場所。周りに自然と呼べるようなものはほとんどありませんでしたが、父が休みごとに大文字山や比叡山、桂川の上流など、自然豊かな場所に連れて行ってくれました。
また、祖父が京都の西、あの有名な苔寺の近くに畑を借りていまして、週末になると祖父にくっついてお手伝いをしに行きました。近くの小川にたくさんの生き物がいるんですよ。サワガニがいて、トノサマガエルもいたし、今は本当に少なくなってしまいましたけどカジカガエルもきれいな声で鳴いていました。
ところがそこの小川が河川改修でコンクリート固めにされてしまって、それまでよく鳴いていたカジカガエルがピタっと鳴かなくなってしまったんです。それから二度とその場所で鳴き声を聞くことはありませんでした。小さい頃からまるでエアポケットのようにそこから自然が無くなっていくのを身近に体験してきました。動物好きな性格とその実体験も重なって、野生動物を守りたいという気持ちは当時から少しずつ育っていったんだと思います。