聾の女優が当たり前に活躍できる日を夢見て
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5歳のころ |
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14歳のころ |
私は3歳からクラシックバレエを習っていたので、ずっとバレリーナになるのが夢でした。ですが、途中でお芝居に目覚めて、今は一人前の女優を目指してがんばる日々です。ダンサーとして舞台に参加したり、3年前からは『みんなの手話』に出演させていただき、人に何かを伝えることの喜びを知りました。もちろん、バレエをやってきたおかげで今の夢が見つかったので、経験に無駄はいっさい無いんだなぁとあらためて思います。
初めてミュージカルに参加したのは17歳のとき。そのときに出会ったのが芝居という世界です。20歳のときには映画に出演しました。オーディションに受かり、プロの女優さんを拝見して、「本当に上手なんだなぁ」と感銘を覚えました。今まで自分がやってきた仕事とはまったく違った。それからですね、お芝居に興味を持ったのは。
芝居の世界では、周りは聴こえる方ばかり。一方私は聴こえません。皆さんは演劇のワークショップなどでいろいろな経験を積んでいましたが、私は最初ほとんど何もできませんでした。だから本当に少しずつ少しずつ覚えながら身につけていった感じですね。
聾の俳優というのは人数がたいへん少ないです。私は聾の俳優がもっと増えて、もっと普通にテレビ番組などで手話で活躍する姿を見てみたいなと思っています。そのためにはまず自分ががんばらないといけない。その姿を聾の子どもたちが見て、私と同じように女優を目指してがんばってくれたら嬉しいです。私がかつて聾の女優さんを見てそう感じたように。