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KUMONグループの活動  2022/07/19更新

Vol.449

スマート・エイジングを支える公文式学習経験者  

一人ひとりに向き合い
楽しく、その人に合った
ちょうどの支援を

真情(まごころ)デイ・サービス きらめきは、東京都江戸川区にある定員10名の地域密着型デイサービスで、学習療法導入施設です。利用者は60歳~96歳。読み書き・計算とコミュニケーションによる認知機能の維持・改善を図る学習療法は、ご本人はもとより、ご家族から好評を得ています。
施設長の柘植香苗さんは、年長~中学3年生まで、公文式教室で算数・数学、英語、国語を学習した元公文生でもあります。主に高齢者に対して脳の活性化を図る学習療法と公文式教室での学習とは、目的も対象者も異なりますが、柘植さんは「一人ひとりに向き合って、ほめて伸ばすところは同じ」だと言います。
公文式創始者の故公文公はかつて「ちょうどのことが与えられると誰でも伸びていく」と言いました。楽しく一人ひとりに合った学習による可能性の追求は、スマート・エイジングを支える現場でも実践されています。

交流の時間を大切にして、楽しかった感情を積み重ねてほしい

―介護のお仕事に就こうとしたきっかけを教えてください。
短大卒業後、2年ほど販売の仕事をした後、一生必要とされる仕事は何かと考え、資格も取れる介護の道を選びました。地域包括支援センターで社会福祉士をしている母の影響もありました。「きらめき」は家の近くだったこともあり、母も「あなたに向いていると思う」と背中を押してくれたことから、入社を決めました。今年の8月で丸8年、施設長になってからは4年目になりました。

スマート・エイジング

―どのような施設を目指していますか?
ありきたりですが、今来てくださっている方が皆さん楽しく過ごせることが一番なのかなと思います。当施設はテレビを置かずにスタッフが小話をする時間を設けたり、スタッフやご利用者同士の交流の時間を作ったりしています。認知症で忘れてしまっても、その時楽しかった感情は積み重なっていくものだと思うので、この時間を大切にして、楽しんでもらえるような施設にしたいと思っています。すぐ横になりたがる方もいますが、本当に具合が悪い時以外は、できるだけ活動や交流の時間には参加してもらっています。このことはご本人やご家族にもお伝えしているので、皆さまもそれを意識して通われています。

―学習療法の印象、良いと思うところはどのようなところでしょうか?
一番いいと思うのは交流が図れるところでしょうか。認知症はどうしても進んでいってしまうものですが、学習療法を行うことによって、少しでもできることが増えるところもいいなと思います。また、学習支援をしていると、今日はいつもと違うなど、ご利用者さんの様子がよくわかるようになります。得られた気づきをスタッフと情報交換し、施設での介護に生かしたり、ご家族にお伝えしたりしています。

スマート・エイジング

また、学習療法は学習者2人に対して支援者1人で行うのですが、学習者さん同士がおしゃべりしているのを見ているのがとても楽しいです。新聞を読んでいるときは眠たそうな方でも、学習後のコミュニケーションではよくしゃべっていることもありますし、会話がすごく盛り上がっていることもあります。毎回学習前に脳の説明画像を見せて、学習で前頭前野が活性化するという説明をしているので、脳画像をぱっと見せると、皆さん「ここだよね」とご自分の頭を指さします。毎回説明をしているので覚えているのですね。

スマート・エイジング

ご利用日には、必ず学習ができるような体制を取っています。学習回数は多いほど効果も高いため、デイサービスの利用日だけでは回数が少ないからと、宿題を持って帰る人もいます。皆さん目的意識を持つと同時に楽しみにもしてくださっています。

一人ひとりに向き合って、ほめて伸ばすところは学習療法も同じ

スマート・エイジング

―公文式教室の思い出の中で印象深いことはありますか?
教室に行きたくないと駄々をこねたこともありますが、やめることなく年長~中学3年生まで3教科学習しました。中学生当時、部活をやっていたのですが、先生は遅い時間まで待っていてくれました。
寝ていても無理やり起こすことはなく起きるまで待っていてくれ、あたたかく見守ってくれました。2人しかいなかったからか、楽しくしゃべりながらもできました。今思うと自由過ぎるぐらい自由にさせてくれました。マイペースでできるところ、先生の存在、自由にやらせてもらえるところが良かったです。

―柘植さんが考える、公文式学習と学習療法との共通点は何でしょうか?
脳の活性化と学力を伸ばす教材では目的も違いますが、その人その人に合わせてできるところは、学習療法も子どもの時の学習も同じなのかなと思います。公文の先生は決して怒らず指導してくれました。公文式で言うところの「ほめて伸ばす」ところは学習療法でも共通していると感じます。今支援をしているときに昔の先生のことを思い出すこともあるし、支援の仕方にも影響していると思います。

「公文って楽しい」を広げていきたい

スマート・エイジング

―柘植さんの今後の目標は?
現在、同法人で9つの施設が学習療法を導入しています。月1回、各事業所から1名担当者を出して、認知症改善委員会という会合を行っています。様々なテーマの中で、学習療法についても数値報告や相談をしていますが、他の施設に行って学習支援をさせてもらうこともあります。
私が統括しているもう一つの施設では、スタッフの中で学習療法のイメージが変わったことにより、学習の時間の過ごし方が変わり、利用者さんとの距離が近くなり、施設全体の動きもよくなったという経験があります。私が初めてヘルプで支援に入ったときに、ある利用者さんが「今日の勉強はいつもと違った」と言ったのです。学習療法の基本に沿って、コミュニケーションを大事にした支援をしただけなのですが、その様子を見たスタッフが「学習にはこんな意味があるんだね」と、認識を変え、スタッフ自身が楽しむようになってくれました。そんな風に思ってくれるスタッフを一人でも増やしたいと思っています。
みんなで楽しくKUMONの学習療法を使って、「楽しい時間を共有すること」を広げていけたら嬉しいです。

 

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