学習療法は、認知機能の維持・改善のため、コミュニケーションをとりながら楽しく学び、脳を活性化させる非薬物療法です。2004年7月に事業化された学習療法は、現在では全国約1,500の高齢者介護施設に導入されています。今回は東京都葛飾区にある介護付有料老人ホーム「SILVER SUPPORT 星にねがいを」の様子をご紹介します。
「SILVER SUPPORT星にねがいを」に学習療法が導入されたのは12年前。施設のご利用者が毎日喜びを感じられるようなケアをしたいと導入を決めたそうです。学習療法は学習する高齢者二人と、その学習を支援する施設スタッフの三人一組で行い、計算教材や読み書き教材、磁石すうじ盤の学習を終えた後に、三人でコミュニケーションをします。この手順で学習療法を実践すると、脳機能が活性化することが研究によって実証されているためです。映像では、「読み書き教材」でお雑煮に関する説明文を読んだ方が、お隣の方と「関西はお味噌」と地方によるお雑煮の違いについて楽しく語り合っています。
学習療法の効果は前頭前野機能の維持・改善にとどまらず、高齢者の「自信」「意欲」「誇り」を引き出すことも、13年間の実践を通じてわかってきています。「われわれは英語をやっている世代ではないから」と言いながら、アルファベット入力でお子さんにメールを打つ90歳の方や入居前はうつ状態だったのが、施設の近くを杖なしで歩けるようになった方が登場します。ご利用者の元気な様子を目の当たりにした施設のスタッフが仕事にやりがいを感じるようになって、よりよいケアにつながる。こうした好循環が生まれています。
「星にねがいを」施設長の戸倉さんは学習療法を導入した感想を次のように語ってくれました。「認知症の方はその日その日で記憶がなくて毎日が新しい初めてのことであったりしますが、本当に素晴らしい笑顔を見せてくれて導入して本当に良かったと思っています」。KUMONはご高齢者に毎日変わらない喜びを届け、自分らしい生活を送っていただけるよう、これからも学習療法の実践を進化させていくため活動を続けていきます。
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