苦労を乗り越えられたのは「どんな状況でも楽しめる力」と「覚悟」があったから
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冬木さん: 僕は学部3年生で留学し、留学先では研究室に入りました。周りが博士課程や修士課程の人たちばかりの中で、最初は強がって「大丈夫、できるよ」と言っていましたが、自分の知識レベルではとうてい追いつけなくて、途中からどうしようかという状況に。周りに素直に助けを求めたら、手を差しのべてくれて、その後は順調に研究を進められました。
重宗さん: 僕は今回の留学が初めての海外の一人暮らしでした。本当に生きていくって大変だなあとつくづく感じました。留学中、自分の価値観を見直すことができたり、さまざまな困難を自分の力で解決できたりしたことが自信になりました。
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二牟禮さん: 日本にいたときは、困ったときはすぐに悩みが打ち明けられますが、留学中はちょっとしたことも相談するのがむずかしくて辛かったですね。
司会: なるほど。生活面ではどうでしたか。
寺下さん: 寮の引越しの手続きがいつまでたってもできず、日本とはまったく違う感覚にやきもきしました。
八島さん: 引っ越した先々でトイレが詰まったり、シェアハウスの雰囲気がよくなくて家に帰りたくなかったり……と大変な目にたくさん遇いました。
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重宗さん: ルームメイトには、僕も悩まされました。毎夜パーティーされちゃって。
司会: それほど大変だったのに、乗り越えることができたのはみなさんのどんな力だったのでしょうか?
田口さん: ここにいられる期間は短いのだから、ここでしかできないことをやろうと無駄なことはどんどん排除して、やるべきことに集中しました。
八島さん: アメリカに行くのは自分の夢だったので、夢が叶ったからには頑張ろう、チャレンジをしよう、何もせず家ばかりで過ごすのはやめようと外に出ているうちに、友達ができてだんだん生活が楽しくなっていきました。僕は音楽、特にへヴィメタルが趣味。コアな趣味があると友達ができます!あとは、どんな状況でも楽しむ力があると、乗り越えられるのかな。
重宗さん: 勉強以外の部分で助けられるという面、ありますね。公文で先取り学習をしていたおかげで、子どもの時から学校の勉強でいっぱいいっぱいにならずに、スポーツや音楽などに時間を割ける余裕ができました。結果的には学習以外の能力も向上して、自分を助ける力になったと思います。
自分の強み、留学前から意識していた?新たに気づいた?
皆さん、自分の力で留学中の大変さを乗り越えたようです。特に自身を支えたのは、一人ひとりが持つ「強み」だったのではないでしょうか。座談会では、皆さんの「強み」についても聞いてみました。
司会: 皆さんは、留学前から自身の強みとして意識していたことを留学で再確認したのでしょうか、それとも留学によって新たな自分の強みに気づいたのでしょうか。
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田口さん: 私は留学で新たな自分の強みに気づきました。私は昔から、“周りに助けを求めることは、人に迷惑をかけること”だと思っていました。けれども留学で、自分だけではどうにもならない状況に陥ったときに、周りに助けを求めたんです。その結果、まわりを巻き込むことで、ひとりでがんばるよりずっと大きなことができることを知りました。場合によっては自分自身がリーダーシップを発揮することもできるようになりました。周りに協力を求めなければならない環境に身を置いたことで、自分の強みに気づくことができました。
重宗さん: 僕も、知らない自分に気づけたという部分があります。僕は、日本では時々踏み込みすぎて「馴れ馴れしい」と言われてしまうことがありました。でも、海外では「積極的に話しかけるし、歯に衣きせず言いたいこというね、フレンドリーだ」とポジティブに言われたんです。
司会: 人との距離感のとり方で自分らしさに気づいたというのは、新鮮な発見ですね。それでは、もともと自分の強みを意識していた方はいかがでしょうか。
寺下さん: 僕は、「コミュニケーション能力が高いこと」が自分の強みだと考えていました。留学前にも国際会議などに出る機会があり、英語をそれほど話せないながらも、なんとかコミュニケーションをとって意思の疎通ができていました。留学中にも、チーム間の衝突を避けて、調整役として議論を引っ張ることができたり、旅行中に多国籍の人たちとすぐにうちとけるなど、その力を発揮して充実した留学生活を送ることができました。
八島さん: 僕は、「辛い時にも、その中で楽しさを見つけることができる」のが強みかな。地元のパーティーに行ったり、ひたすら散歩をして、安いスーパーを探したりとか。厳しい状況だからといって引きこもらず、外に目を向けて行動し続けました。
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冬木さん: 自分は「タフさ」が強み。もともと日本にいた時から、周りの人に「なんでそんなにいろいろ大変なことするの?」と言われるほど詰め込んじゃうタイプ。留学中は、授業も研究も大変、だけどボランティアもしたい、イベントにも参加したい……どうしよう!という場面はありましたけれど、考えてみたら日本にいたときからそうやってあれこれやっていた(笑)。体を壊さない程度にいろんなことに必死に取り組める強さがあり、その力で留学中にも積極的に行動できました。
二牟禮さん: 私は「行動力」かな。留学前から何か難しいことにぶち当たっても、解決するためには何が最善かと考えて、どうしたらいいか?を書き出して一つずつ取り組んでいました。一瞬でもためらう隙を自分に与えずに行動に移します。難しいことでも必ず解決策があると考え、行動できるのは自分の強みだと留学で再確認しました。