未開の領域を開拓するため様々な研究会に参加
博士課程に進んだ私は、「できるだけ新しい分野がいい」という単純な発想で、サービス業のマーケティングをテーマにしました。当時、「ブランド研究」は盛んでしたが、「サービスマーケティング」はあまり研究されていなかったんです。その反面、先行者がいないので、過去の研究事例がなく、自分で切り開かねばならない苦しさがありました。
そのため「これは大学院の勉強だけでは不十分だ」と思い、在学中から様々な研究会やプロジェクトに参加しました。そのひとつが、調査研究のパイオニア、日本生産性本部での調査です。手弁当でデータ分析やインタビューなど、様々な調査に関わりました。
私の研究スタイルは、理論的な仮説があり、それをデータで裏付けるという仮説検証型です。たとえば教育現場では、担任の先生をつけたほうがいいのか、それとも毎回違う先生が担当しても変らないのか、それぞれの場合について実際にデータをとって確かめてみる、といったスタイルです。
やがて、CSI(=Customer Satisfaction Index:顧客満足度指数)の研究を専門にするようになりました。特に注力するようになったのは、2007年の第一次安倍内閣の「骨太の方針」に、「日本のサービス業の生産性向上のための施策づくりを」ということが盛り込まれたのがきっかけです。
製造業に比べて日本発のサービス業が少ないため、もっと力を入れていこうという政府肝いりの施策で、人材育成などいくつかの項目と並んで「CSIの開発」もありました。そこで、その研究をしていた私が開発委員会に呼ばれ、アカデミックアドバイザーとして活動することになったんです。
前編で述べたように、CSIとは「消費者目線でサービスを評価する」ものです。製造業の場合は「耐久性」など客観的な指数がありますが、サービス業は目に見えないので「これはいい」といっても、どういいのかわかりません。それを、実際に利用した消費者に細かく聞いていき、指数化したのがCSIです。その方法論をアメリカ、スウェーデン、韓国、シンガポールなどの先人たちを訪ねたり、産業界のさまざまな経営者やマネジャーのお話を伺いながら、3年かけてつくりました。

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