すべての子どもがより豊かに育つための環境を探究

教育心理学者としてさまざまな保育や教育の現場に行くと、保育園や幼稚園や学校、あるいは行政によって、保育や教育の質に差異があることを思い知らされます。その子の気質や特性などがあったとしても、どの子もより豊かに発達するには、保育や教育の環境において、何が大切なのか。私はそれを探究しています。
私の研究内容をもう少し具体的にお話ししますと、大きく3つの側面があります。ひとつは、保育や教育の環境が異なると子どもの発達にどのように違いがでてくるのか、全国の保育園・幼稚園の協力を得て、4歳から小学校入学後までの成長を継続的に調べています。2つめは、保育園・幼稚園の保育者や小・中学校や先生方の成長・熟達についての調査です。教える専門家として、どう学ばれ、また教育者自身がどう成長されていくのか。子どもだけではなく、子どもを支える専門家の側が、どのようにプロとして成長し変わっていくかに関心をもって研究しています。
そして3つめは、絵本の読み聞かせや読書をテーマにした調査です。私の研究生活の原点は、わが子への絵本の読み聞かせにあり、また赤ちゃんに絵本と絵本を楽しむ体験を贈る、“ブックスタート”(関連リンクからもどうぞ)という活動をNPOの方々とともに立ち上げるときに協力させていただいたこともあって、絵本をめぐる研究は私のライフワークにもなっています。乳幼児だけでなく、中高生を含めた読書環境などについても研究を続けています。