スペシャルインタビュー
Academic Milestones - 学びを究める力

2013/12/20更新

Vol.004

心療内科医 明橋大二先生  前編

人としての「幸せ」に必要なものは何か
学びやしつけの土台となる
自己肯定感を育もう

明橋 大二 (あけはし だいじ)

1959年大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院
精神科、愛知県立城山病院を経て、現在は真生会富山病院心療内科部長のほか、児童相談所
嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長を兼務。専
門は精神病理学、児童思春期精神医療。

子育てに奮闘する母親たちのバイブルともいえる超ベストセラーシリーズ『子育てハッピーアドバイス』の著者、明橋大二先生。心療内科医として「自己肯定感の大切さ」を説くと同時に、子育て中の親支援の必要性も訴え、スクールカウンセラーとしても活躍中です。そのアグレッシブな活動の源にあるものとは? ご自身の生い立ちもふり返っていただきながら、子どもの育ちに大切なことについてうかがいました。

病院で待つよりも、地域に飛び込み「火の元」を消したい

明橋大二先生

この仕事をしていますと、たくさんの患者さんに出会いますが、あるとき、これといった身体障害もなく、20歳なのにトイレもひとりで行けない患者さんに出会いました。カルテには、「0歳のときに泣き声がうるさいと、親にベッドの下に押し込まれ、周りを布団で固められて放置され、それを見かねた親類が児童相談所に伝え、施設に入所した」という記録がありました。泣いても、泣いても、誰も来てくれない。そのときの孤独感はいかほどのものでしょうか。小さいときにそんな思いをしなければ、今のような症状も出ずに、穏やかな人生を過ごすことができたでしょう。

心療内科医という仕事は一言でいうと、内科医と精神科医の中間と言えますが、日本ではメンタルな部分に重点をおく内科医が診る場合と、精神科医が診る場合があります。例えば「お腹が痛い」という症状では、食べ物が原因かもしれませんし、ストレスなどの心理的な原因なのかもしれません。こうした心理的な要因の病を「心身症」と言い、その診療をするのが心療内科医です。

私はスクールカウンセラーとして、学校でも子どものカウンセリングをしたり、親への育児のアドバイスをしたりしています。こういうことは、ふつうは臨床心理士がすることが多いと思います。医師がすることは少ないでしょうね。しかし、私がスクールカウンセラーをしている、いや、しなければと思うのは、どんな病気でも予防が大事だと考えているからです。

火事でも燃え広がってから消火するのではなく、火がついた段階で火の元を消せば、被害は少なくなるように、症状がひどくなる前に手当てを始めれば恢復も早い。病院で待つだけでなく、地域の中で子どものSOSに早く気づきたいと考えたのです。そして多くの患者さんを診るなかで、子ども時代に思いを受けとめること、自己肯定感を高めるような子育ての大切さを実感し、それを広めるために講演活動や執筆活動も積極的に行っています。

「医者になろう」と強く思ったきっかけとは?

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