「個性」や「こだわり」を持つなら
他者に認められる結果を出そう
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私は公文式の教室に掲げられていた色紙の言葉が忘れられません。
「やってみよう やってみなければわからない」
公文の創始者の言葉だそうですね。
これが当時の自分の心に刺さり、「何でもどんどんやってみよう」「現状維持は衰退だ」と思うようになりました。
中学受験した私は、第一志望校には不合格。大学受験も、就職試験も、すべて第一希望は落ちてしまいました。でも、まったく後悔していません。そのときそのときのベストを尽くして、「とりあえず全力でやってみる」ことを実践してきたからだと思います。
父は厳しかったですが、母は私が「やりたい」といったことには反対せず、個性を伸ばしてくれました。親はとかく、わが子を人と比較したくなるものですが、個性を活かしてあげて、やりたいことはやらせてあげるといいのではないでしょうか。
千房も「千房は千房だ」と考え、他社とは一切比較していません。お子さん自身も、誰かと比較する必要はまったくなくて、「自分は自分」「自分らしいか・らしくないか」という尺度でものごとを決めていけばいいと思います。それは自分なりの「こだわり」であるわけですが、ただ、こだわりはときに独りよがりになることがあります。そうならないためには、他者に認めてもらえるよう結果も出していくことです。
私が今後やりたいことは何かというと、「世界一従業員が“幸せだ”と思う会社をつくること」。もっというならば、私を育ててくれた千房、従業員、家族、自分の生まれた街、育った街に恩返しをしたいと思っています。
私は受刑者への講演時に毎回「“ありがとう”の反対は何か」と聞きます。答えは「あたりまえ」なのですが、皆答えられません。今のこの生活は「あたりまえ」ではない。常に感謝の気持を持つことだ ――これは亡くなった長兄がよく言っていた、と父から聞きました。私自身、ここまで生きてこられたのは、いろんな人に出会い、支えられてきたからです。感謝しかありません。支えてくれた従業員や家族に対して恩返しをするのは当然だと思っています。
もうひとつ、私が心に決めていることがあります。それは「従業員を守る」こと。当社はコロナ禍で、売上げがコロナ前の3%の水準、つまり97%下がった時期もあります。そうなると従業員は不安ですよね。私は「雇用は守ります」と全従業員にメールし、休業中も100%給与を支給しました。またパートをなくして、時間限定あるいは地域限定、店舗限定の正社員に切り替えました。会社の負担は増えますが、従業員に安心して働いてもらいたかったのです。
荒波のとき船に乗っていると、近くを見ると船酔いしますが、遠くを見ればそれほど酔わないといいます。経営も同じです。今コロナ禍という荒波で、足下を見たら苦しいですが、数年先の千房を見ると、やはり人が大事なのはいうまでもありません。だから人を守りたい。まだ父は会長として働いていますが、父は人というかけがえのない財産を残してくれました。私はこの財産をしっかり引き継ぎ、これからも大切に守っていきたいと思います。
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