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Vol.095 2023.06.16

プロボウラー
森彩奈江さん

<前編>

「一日ひとつは学びを得よう!」
そう意識すれば夢に近づくだけでなく
毎日ポジティブに生活できる

プロボウラー

森 彩奈江 (もり さなえ)

静岡県生まれ。家族の影響で小学4年生のときからボウリングを始め、小5でマイボールを持つ。静岡県立静岡城北高等学校では、1年先輩の片井文乃さん(現プロボウラー)とペアを組み、第2回全国高校対抗選手権大会で優勝。明治大学ではボウリング部に所属。会社員を経て、2007年40期プロテスト合格。現在はフリーで、公式戦のほかBS日テレおよび日テレジータスで放送されている、女子プロ・女子アマチュアボウラーによるボウリングトーナメント番組「ボウリング革命P★League」でも活躍中。

「ボウリングと公文式学習には共通点が多くあると感じます」。そう話すのは、小学生で始めたボウリングに魅せられて、プロボウラーになった森彩奈江さん。
公文式学習は、指導者のお母さまの元で大学入学まで続けました。プロテストに合格するまであきらめずにチャレンジできたのも、「努力を続けていれば結果が出る」と、公文式での実体験があったからだそうです。
夢をかなえるまでの道のりや、身近なスポーツとして人気が再燃しつつあるボウリングの魅力などについてうかがいました。

目次

    年齢性別問わずみんなが楽しめるスポーツ

    小さなお子さんから高齢の方まで、年齢性別問わずみんなが楽しめるのがボウリングです。私はプロボウラーとして、今年で17年目に入りました。

    公式戦に出場するほか、週末には全国各地のボウリング場で開催されるプロチャレンジマッチで投球しています。これはアマチュアの方がプロに挑戦するイベントです。ボウリングは他のスポーツと違ってプロとアマの距離が近いんですよ。各地のボウリング愛好家の方々と交流するのは、私の楽しみのひとつになっています。

    森彩奈江さん

    試合がないときは、体幹を鍛えるトレーニングをしたり、ストレッチや整骨院にいくなど体のケアをすることにも力を入れています。休日はショッピングや友人と食事に行くなどリフレッシュしています。

    私はプロになる前から「ボウリング革命P★リーグ」という選ばれた女性選手がトーナメント方式で優勝を目指して戦うTV番組に出演しています。

    Pリーグは、ボウリングに馴染みがない人たちにも興味を持ってもらおうと、日本テレビやそのほかの協力を得て、2006年に始まったTV番組です。大きな特徴は、華やかな演出と舞台の中、好きなコスチュームでプレーできることです。公式戦ではユニフォームに規定がありますが、Pリーグでは自由なコスチュームを着ることができます。

    私も着物風やアイドルのような衣装で出場したことがあります。一番しっくりしたのがテンガロンハットで、今や私のトレードマークとなっています。ほかの選手たちも、好きな衣装で自分を表現できることを楽しんでやっています。

    Pリーグではアイデアを盛り込んだ自由な衣装で、公式戦では今日のようなスポーティーなユニフォームで投球しているので、ぜひ両方の姿を見ていただけたら嬉しいです。

    ボウリングは誰もが楽しめるのみならず、楽しみ方もいろいろあるのが魅力です。一人でもできますし、家族や友だちとプレーすれば、コミュニケーションが深まります。最近は社内レクリエーションとしても取り入れられていますね。競技として本格的にプレーすることもできたりと、いろんな角度から楽しめる生涯スポーツです。

    適度な有酸素運動なので健康にいいのはもちろん、投球を“見られる”ので、美しくなるのもポイントです。とくに後ろ姿や姿勢がきれいになりますよ。シニアの愛好者もたくさんいますが、みなさん姿勢が美しくて驚きます。ユニフォームに凝る方も多く、そこでお仲間と話が弾んだりと、身近なスポーツとして親しまれていると思います。

    ボウリングを始めたきっかけ

    家族旅行にも家族全員のマイボールを車に積んで……

    我が家はボウリング一家でした。私が小4くらいのとき、父がテレビでアメリカの選手がプレーしているのを見て「カッコイイ!」と、はまったのがきっかけです。そこから3つ上の兄が一緒にボウリング場に行くようになり、続いて母、私……と、同行するようになりました。

    森彩奈江さん

    毎週日曜は朝9時から家族4人でボウリング教室へ行くんです。当時は「なぜ日曜に朝早くから重いボールを持たなくちゃならないんだろう」と思っていましたが、次第に楽しくなりました。小5でマイボールを持ち、スクールにも通い、JBC(全日本ボウリング協会)という団体にも所属して本格的に行うようになりました。

    負けず嫌いの私は兄に負けると悔しくて、いつもふてくされていた思い出があります。家族旅行にも、必ず車に家族全員のマイボールを積んで出かけ、旅先でボウリング場を見つけると、皆でプレーするのが恒例でしたね。

    私は何かに集中すると徹底的にやるタイプで、また、兄の影響か活発な子で、野球やサッカー、プラモデル作りなどの遊びが好きでした。両親ともに「好きなことをやりなさい」と、のびのびと育てられたと思います。

    中学ではバスケットボール部に所属していましたが、日曜にバスケの試合があっても、家族とのボウリングを優先していました。中学卒業後は、JBCで一緒にプレーしていた1歳上の先輩、片井文乃さんの後を追って、同じ高校へ進学します。

    ちょうど私が入学した年度に全国高等学校対抗ボウリング選手権が開催されることになり、一緒にがんばろうと決めたんです。二人で一生懸命練習し、翌年の第2回大会で全国優勝を勝ち取りました。優勝するとやはりうれしいですよね。この優勝を機に、ボウリングへの情熱が高まりました。

    加えて、すでに大学生となっていた兄が法政大学のボウリング部に所属していて、学生連盟の試合を見に行ったことも、その後の私の進路に影響しています。チームで声を掛け合っていて、すごく楽しそうにプレーしていたんです。それを見て私も「大学でボウリングをやりたい!」とあこがれ、ボウリング部のある大学を中心に受験しました。

    ただ、当時はプロになろうとまでは考えていませんでした。もともと子どものときも将来の夢は特になくて……。子ども時代って楽しいことがたくさんあるじゃないですか。目の前のことを一生懸命楽しむタイプだったので、将来何をやるかまで考えられなかったんです。

    でも大好きなスポーツ選手がいて、その選手のプレーを見て元気づけられていたので、そんなふうに誰かを元気にできたらとは思っていました。

    公文式が現在に役立っていること

    「短時間にいかに集中するか」はボウリングも公文式も同じ

    ボウリングより先に始めていたのが公文です。母が公文式の教室を開設していたので、小学校入学前から始めていました。プリントを解くのはまったく苦にはならず、楽しい思い出しかありません。特に算数は、やればやるだけどんどん計算が速くなるので、「できた!」と実感しやすかったですね。

    勉強もそうですが、どんなスポーツでも、できないことができるようになるとうれしいですよね。公文式学習でそうした成功体験があったから、「続けていればできる!」と思えるようになりました。

    数英国を学習しましたが、特に印象に残っているのは国語です。中でも古文が大学受験に大いに役立ちました。公文のプリントにはさまざまな作品が登場するので、自然と古文に親しめるようになり、テストでも「これ読んだことがある!」となって、解きやすくなるんですよ。

    受験だけでなく、今に役立っていると感じることもたくさんあります。まず、練習をコツコツ重ねていくことが苦にならないこと。そして集中力がついたこと。ボウリングは短時間に集中しなくてはならないスポーツなので、集中力はとくに必要です。計算が速くなったのも大きいですね。「あとどのくらい点数をとればいいか」と素早くスコアの計算をすることがとても大事だからです。

    森彩奈江さん

    大学は明治大学に進学しました。ボウリング部では4年間、女子一人だけでしたが、居心地はよかったです。他大学でも女子は少なく、あるときはライバルとして切磋琢磨し、チーム戦のときは一緒に力を合わせて戦ったりして楽しかったですね。相談ごとを話したりするような関係も築け、充実した大学生活でした。

    プロを意識したのは、同じ大学出身で男子プロボウラー1期生の大先輩から、「プロという道もあるよ」と教えられた頃からです。ちょうど卒業後の進路を考えていた頃で、両親に相談すると「一度社会人になって経験を増やしてからプロになってもいいのでは」と助言されました。確かにそうだなと思い、Uターンして就職することにしました。

    結果的に両親のこのアドバイスはとてもよかったと思います。改めてボウリングへの向き合い方を自分自身に問う時間ができましたし、プロになってからこの時の社会人経験が役立つことも多くありました。

    (撮影協力:池袋ロサボウル)

    後編を読む

    関連リンクJPBA選手データ 森彩奈江P★LeagueオフィシャルサイトPリーグオフィシャルブログ InstagramTwitterFacebookRankseeker blog


     

    森彩奈江さん  

    後編のインタビューから

    -会社を辞め、プロを目指す
    -好きな仕事ができる喜び
    -今後の目標、新しい取り組み

    後編を読む

     

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