OB・OGインタビュー
Catch the Dream - 夢をかなえる力

2017/09/08更新

Vol.047 女流棋士
カロリーナ・ステチェンスカさん  前編

の実現は楽しく、そして根気強く
つらくなったら初心を思い出し
もう一度がんばろう

カロリーナ・ステチェンスカ (かろりーな・すてちぇんすか)
1991年、ポーランドの首都ワルシャワ生まれ。外国人女性として初めて研修会に入会し、女流棋士資格を取得。師匠は片上大輔六段。16歳のときに将棋に興味をもち、ワルシャワの大学で情報工学を学んでいた20歳のとき、プロ棋士に招待され初来日。2013年に山梨学院大学経営情報学部に編入、現在プロ棋士として活動しながら同大学大学院に在学中。公文式日本語プログラムの学習経験者。

2017年2月20日、外国人初の女流プロ棋士が誕生しました。ポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさんです。外国人棋士の誕生は男女を通じて史上初。この4月には女流1級に昇級し、次の目標に向かって進んでいます。日本語はほぼ話せない状態で来日したカロリーナさん。「日本でプロ棋士になりたい」という夢を実現させるために、どのような努力をされてきたのでしょうか。今に至るまでのあゆみや将棋の魅力、異文化で生活するうえでの心構えなどについて、流暢な日本語で話してくださいました。

カメラの前で「プロをめざしたい」と宣言

そのころわたしは、大学を卒業したらIT系の仕事をしてお金を稼いで、それから日本へ行こうというプランを立てていました。それが、大学在学中にインターネットを通じて北尾まどか先生と知り合って指導いただくうちに、日本に招待されることになりました。2011年のことで、東日本大震災のあとでした。ポーランドでは「フクシマ」と報道され、チェルノブイリのことを覚えていた母からは、「いま日本に行ったら危ないのでは」と心配されました。でも、わたしは「これは大きなチャンス」と思って日本行きを決めました。

初来日の印象ですか?「わぉ!日本だ!将棋だ!」と興奮して、会った人の顔も覚えられませんでした(笑)。電車がすごいですよね。遅れないし、音楽が流れるし、車体に色がついている。ゲートも自動で閉じたり開いたり。これ、日本人は普通だと思っていますよね? ポーランドでは電車は遅れるし、汚いし、ゲートも切符を入れて自分で押さないとなりません。やっぱり日本はハイテクの国だと思いました。

2週間、北尾先生のご自宅にホームステイして、プロ棋士の生活を知ることができました。毎日将棋会館に通って、将棋とはどういうものか、日本がどんな国かも知ることができました。ぜんぶ北尾先生のおかげです。そのころ、わたしがしゃべれる日本語は「サヨナラ」だけ。周りの方々が頑張ってくださり、英語でコミュニケーションをとってくれました。わたしのような外国人は珍しかったのでしょう。わたしもいま、海外で将棋が強くてプロを目指したいという人がいたら、すぐに日本に来てほしいし、そのために手伝いたいという思いでいます。

その後、2012年5月に第2期リコー杯女流王座戦に招待されて、勝ちました。それで「プロになれるかも」と思ったんです。外国人が日本人棋士に勝ったので話題になり、対局後、取材カメラに囲まれました。その場で「プロをめざしたい」と言いました。これがプロへの最初の一歩です。このときは女流棋士の方々とも交流して楽しかったです。将棋を楽しむ人が周りにたくさんいて、いろんな出会いがあって、応援もしてくれて……うれしかったですね。

関連リンク
K・ステチェンスカ|女流棋士データベース|日本将棋連盟公式サイト


 

 

後編のインタビューから

-来日後、苦労しながら習得した日本語
-将棋と日本語の上達のためにカロリーナさんが大切にしていることとは?
-カロリーナさんの今後の夢とは?

後編を読む

関連記事

2017/09/15更新

Vol.047 女流棋士
カロリーナ・ステチェンスカさん

夢の実現は楽しく、そして根気強く つらくなったら初心を思い出し もう一度がんばろう

学習者・OBOG  2017/09/19更新

Vol.226 未来を創る仕事-EF

「自分で考えて課題を 解決し、進んでいく力」は 目標を実現する力となる イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社  上山美那さん

KUMONグループの活動  2017/10/24更新

Vol.232 日本語学習で夢をかなえる
-公文式日本語プログラム動画レポート

日本語力の向上が競技人生を支える

2013/09/06更新

Vol.001 棋士 羽生善治さん

「迷い」の経験によって、 人は物事を判断する 「ものさし」を身につける

2013/09/13更新

Vol.001 棋士 羽生善治さん

「迷い」の経験によって、人は物事を判断する「ものさし」を身につける

バックナンバー

2020/09/11更新

Vol.072 読売巨人軍 球団職員
矢貫俊之さん

行き詰まっても逃げないで あきらめずにぶつかって 答えは自分で見つけよう

2020/08/07更新

Vol.071 アート・トランスレーター
田村 かのこさん

今ある“型”にはまらなくていい 自分にできることを一つずつ進めていけば自ら“型”をつくることができる

2020/07/10更新

Vol.070 文化遺産コンサルタント
佐々木義孝さん

「今の環境でしか出来ないこと」から 「その環境で自分が夢中になれること」 を探して、実践していくと、道は開けてくる

2020/05/22更新

Vol.069 米ベンチャー投資家/京都大学特任准教授(DNX Ventures インダストリーパートナー)
山本康正さん

「見晴らしの良い場所」から 学ぶことで未来はよりよく見える

2020/03/06更新

Vol.068 バレエダンサー
ニコライ・ヴィユウジャーニンさん

「石の上にも三年」の気持ちで 一歩一歩進んでいけば 山も登れる

記事アクセスランキング

おすすめ記事 Recommended Articles
KUMONトピックス
Feature Report 進化し続ける活動
カテゴリーを表示
NEW
Vol.370
浮世絵から見える江戸時代の人々「重陽の節句」
大輪の菊に健康と長寿を願う ~人々の暮らしと「重陽の節句」の関係~
Vol.369
特別企画 子育てのヒント‐「自立」のためにできること(2)
子どもの自立に「甘え」は欠かせない 「甘えさせる」と「甘やかす」の見極めが大事 お話:子育てカウンセラー・心療内科医 明橋大二先生
Vol.368
~創始者公文公の言葉より~
    公文式の原点⑤            <学年を越えて進む>
Vol.367
あきびんごさん×くもん出版 絵本制作編
絵本制作に込められた 絵本作家あきびんごさんと 編集者の想い
スペシャルインタビュー
Academic Milestones 学びを究める力
NEW
Vol.063 後編
往来物研究家
小泉吉永先生
江戸の知恵には学びがあふれている “好き”をとことん掘り下げて 出会いを引き寄せよう
Vol.063 前編
往来物研究家
小泉吉永先生
江戸の知恵には学びがあふれている “好き”をとことん掘り下げて 出会いを引き寄せよう
Vol.062
筑波大学国際発達ケア:エンパワメント科学研究室教授・保健学博士
安梅勅江先生
「エンパワメント」の力が 「みんなが夢を持てる世界」を実現する
Vol.061
臨床心理士、国際TA協会公認交流分析家
末松渉先生
「心の危機」は成長の機会でもある 「学ぶ喜び」を知って 「生きる力」にしていこう
KUMON now! フェイスブックページ
KUMON now!に「いいね」して、子育てに役立つ情報を受け取ろう!