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Vol.041 2017.02.03

プロゴルファー 武尾咲希さん

<前編>

一打一打積み重ね
高みにつながるから
「結果」に至る「内容」を大切に

プロゴルファー

武尾 咲希 (たけお さき)

福島県出身。プロゴルファー。アマチュア時代は『ふくしまジュニアオープン』『福島ジュニアゴルフ大会』『東北高等学校ゴルフ選手権』『東北女子アマチュアゴルフ選手権』など数々の大会で優勝を重ねる。2015年プロ転向。2016年シーズンは、マンシングウェアレディース10位T、伊藤園レディース7位Tなどの成績。 公文では小2から中3の間、算数・数学、英語、国語を学習。

ジュニア時代から数々のアマチュア大会で類まれな実力を発揮してきた、女子プロゴルファーの武尾咲希選手。若手有望株の一人である彼女は、2015年のプロ転向を機に大学中退を決断するなど、まさに今ゴルフに情熱の全てを捧げています。そんな武尾選手が見据える夢、そして未来について伺いました。

目次

    シーズン中はほぼ毎日ゴルフ
    オフシーズンは新たな挑戦を

    武尾咲希さん

    プロ転向2年目だった2016年シーズンは、自分の思い描くプレーに届きそうで届かない、少し悔しさが残る一年でした。でも、シーズンの後半でやっと練習してきた成果が表れてきたので、やってきたことは正しかったんだなという実感はあります。

    シーズン中は、基本的に月曜日は次の試合会場に移動し、火曜日と水曜日は練習、木曜日は最終調整をして、金・土・日で試合という流れです。ほとんど休みはありません。プロゴルフ中継は週末ですから、「平日は暇なんじゃない?」と聞かれることが多いんですけど、そうではありません。

    シーズン中はそんな毎日ですので、オフシーズンは練習とも平行しながら、今までできなかったこと、新たな挑戦もしてみたいですね。メンタル面を向上させるためにもっと本も読みたいですし、料理や栄養学の勉強にも力を入れたい。今まではほとんど母に任せていたので、もっと自分から主体的にやっていくことが大事なのではないかと思っています。

    武尾さんの子ども時代とは?

    習い事で忙しかった小学生時代
    「一番を目指してがんばること」が
    大事だと教えてくれた母

    武尾咲希さん

    小さい頃、私の家にはゲーム機がなくて、遊ぶといったら外でした。家の前には自然がたくさんあって、川で魚を釣ったり畑をいじったり。近所の子といつも一緒に遊んでいました。

    公文には小学2年生から中学3年生まで通っていました。初めて教室に行ったとき、先生がすごく優しくしてくださって、すぐに馴染んだのを覚えています。桁の多い割り算でつまずいて、なかなか前に進めなかったときはつらかったですけど、嫌だと思ったことはなかったですね。学年を越えた内容を学んでいくのが楽しくて、つらいことより楽しかった記憶のほうが多いです。小学生時代、スイミング、バレエ、ゴルフと公文……平日はほぼ習い事。両親には「続けるなら最後までやりなさい」と言われていて、実際に習い事はどれも数年間は続けました。

    母の口癖は「何でも一番になりなさい」。勉強でもスポーツでも「一番を目指しなさい」と。厳しい面もありますが、母は本当に親身にサポートしてくれました。習い事が重なっている曜日は分刻みで動かなくてはならなくて、たとえば一日でゴルフと水泳と公文が重なる日とかもあって。母が学校に迎えにきてくれてまず公文に行き、途中で抜けてスイミングに行き、その後ゴルフに行ってまた公文に戻って残りをやる、みたいな(笑)。

    車の中でお母さんの作ったお弁当を食べながら移動して。おそらく「スポーツだけ」とか「勉強だけ」の子になってほしくなかったんだと思います。何でも一番になれというのは、何でも一生懸命になってほしいという気持ちの表れだったんだなというのは今になってよく分かります。「一番になること」より「一番を目指してがんばること」の大切さは母に教えてもらったと思います。

    母には、今仕事面でもサポートしてもらっています。私がマイペースな性格なのをよく知っているので、ハッパをかけてくれるのも母ですね。一方で父は、母と比べると遠くから見守ってくれています。今も仕事で忙しいのに、近場で試合のときは必ず応援しに来てくれます。弟とも仲がいいですし、家族からはいつも温かさをもらっているなぁって思います。

    武尾さんが3回のプロテスト受験で得たものとは?

    3度のプロテスト受験から生まれた
    「自分はゴルフが好き」という自覚

    武尾咲希さん

    ゴルフを始めたのは、両親がゴルフをしていたのがきっかけでした。小学生の頃までは、週1回レッスンを受けて、大会前にラウンドに行くくらいでした。ゴルフに対する気持ちが変わったのは中学に入学してから。公文を始めてから理数系が好きになったこともあり、私はずっと「薬剤師さんになりたい」って思っていたんですよ。中学校で、自分の将来を考えるという授業があって、将来を突き詰めて考えたときに「あぁ、プロゴルファーもいいのかな」って。中2あたりから大会でも徐々に優勝できるようになったこともあって、どんどん上を目指したい思いが生まれていたんですね。

    でも、私のこれまでのゴルフ人生は順調な時期ばかりではありませんでした。高1のときに全国大会で4位になって、そのときは「1年生なのに4位。次は優勝しかない!」って思っていたんです。でも結局、高3まで一度も全国大会で優勝することができなかったんです。苦しかったし、悔しかったですね。今振り返ると、その頃の自分のゴルフには幅がなかったなって思います。一つひとつのプレーの精度を上げる練習はたくさんしていたけど、当時は俯瞰でゴルフを見られていなかったと。

    プロテストは3回受けてようやく合格しました。1回目に落ちたときは、自分の伸びしろをあまり感じられなくて……それから新しいコーチにみてもらいました。そのコーチに出会ってから、「まだまだ改善点はたくさんある!」ということに気づいて、またがんばろうと思い直せました。

    自分では「ここが自分の最高点」だと思っていたけど、そんなことはなかったんですね。今もそう。最高点への成長過程です。結局私は「ゴルフが好き」で、将来は絶対にプロゴルファーとして活躍したい。3回のプロテスト受験は、私にそんな「自覚」を与えてくれたと思います。 

    後編を読む

    関連リンク武尾 咲希 プロフィール詳細|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会 武尾咲希さんFacebook


    武尾咲希さん  

    後編のインタビューから

    -武尾さんが考えるゴルフの魅力
    -武尾さんの夢とは?
    -武尾さんから子どもたちへのメッセージ

    後編を読む

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