学ぶことをやめたら自分の人生に意味が無くなってしまう

僕は器用なほうではないので、仕事がうまくいかなかったときは何がダメだったか、それをひたすら考えますね。もし次にチャンスがあったときは、二度と同じ轍を踏まない、と自分に言い聞かせる。それしか立ち直る方法はないですね。それも陸上から学んだことかもしれません。
大河ドラマ『花燃ゆ』では、僕は吉田松陰が率いる松下村塾で学ぶ入江九一という役を演じましたが、知識や学力がないと人の上には立てない、ということをすごく感じました。入江九一は松下村塾の四天王の一人だったんですけど、まずその枠に入らないと世の中は変えられない。逆に、学びが足りないと人に騙されたり傷つけられたりする。そして世の中の真実にたどり着くことはできません。学ぶことをやめてしまったら自分の人生に意味が無くなってしまうのでは?と考えるほどです。
僕は好奇心は人一倍あって、たとえば話題になっている新しい小説を知ったら、「うわ、読んでみたいな」って思うし、人が話していることでわからないことがあったら、誰かに聞いてみたり自分なりに調べてみたりします。知らないまま時間が過ぎていくことがもったいなくて仕方ないんですね。
たくさんのことに興味を持つことは俳優の仕事でもとても大切です。役を演じる場合っていうのは、ほとんどが自分がまったく知らない人になりきるわけじゃないですか。たとえばサラリーマンの役でも、どこの会社のどの部署のどんなポジションで働いているのか、さらに家族構成などのバックグラウンドはどうなっているのかとか、想像ができなければ表現できないと思っています。それこそ目線ひとつ、物を取る動作ひとつ、そこに意味がないと、視聴者の方には伝わらないと思うんですね。そこは最低限プロとしてやっていかなきゃいけない部分だという意識です。