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Vol.004 2013.12.13

フリーアナウンサー 久保純子さん

<後編>

「学び」「夢見る力」を創る
そして、子どもが夢をもつには
大人の在り方が大切

フリーアナウンサー

久保純子 (くぼ じゅんこ)

東京都生まれ。1994年にNHKへ入局。2004年にフリーアナウンサーとなり、テレビ、ラジオ等に
出演する傍ら、著書や絵本の翻訳なども手がける。米国にて、モンテッソーリ教育を学ぶなど、
「子ども」と「言葉」に関わる仕事に情熱を傾ける。二児の母でもある。

NHK勤務中は報道から紅白歌合戦の司会まで、さまざまな番組で活躍した久保純子さん。フリーアナウンサーとして独立後は、ライフワークの「教育」にも積極的に関わり、日本ユネスコ協会連盟の「世界寺子屋運動」を広める“まなびゲーター”も務めています。現在は幼児教育の資格取得に向けて研修中でもある彼女に、そのエネルギッシュな活動の原点をうかがいました。

目次

勉強の積み重ねだったNHK時代

フリーアナウンサー 久保純子さん

私は昔から、小さい子たちのお世話をするのが好きでした。また海外では言葉を通して、いろいろな人たちや新しい世界と出会えたことが大きかったので、子ども番組を作って日本の子どもたちにもそういう機会を持ってもらえたらと思い、NHKのアナウンサーを志望しました。NHKならアナウンサーも自分で企画を書き、番組作りに携わることができると聞いていたのです。

入ってみると何もかもが「初めて」で勉強の連続でした。まずは、ニュースの読み方が分からない。例えば「世界平和の夢を追い続けて」という一節があったとして、その中のどの部分が一番“立てる”べき言葉なのか、「世界平和」なのか「夢」なのか「追い続けて」という部分なのか。ニュースというものは、そのことを初めて見聞きする視聴者の方々に分かりやすく伝えなくてはいけないので、どんな内容でも的確に読み上げられるよう、日々、新聞のあらゆる欄を読んで学びました。

資料だけでなく、現場からも多くを学びました。スポーツの担当になったときは、日本の野球チームが何球団あるかも知らなかったので、まずは球場通いから。相撲なら朝稽古、サッカーならスタジアムに通って勉強しました。朝のスポーツニュースを担当していたころは、夜中の2時に起きて、2時半には家を出て、5時から8時までニュースをやり、ご飯を食べてから局内でちょっとだけ仮眠をして、昼過ぎから野球の練習があるので現場に行き、夜6時からは試合を見ながらスコアをつけ……と、本当に体力勝負でした。20代で頑張れる時期だからこそできたことで、今はさすがにもう無理かなと思います(笑)。

念願だった子ども番組を制作しての新鮮な驚きとは?

夢がかなった「子ども番組」

フリーアナウンサー 久保純子さん

出産を機に、子育てをしている“この”感覚がある間に子ども番組を作りたい、という思いを持つようになりました。悩んだ末にNHKを退職し、一歩を踏み出し、また出会いがあって、他局で子ども番組を作ることができました。

番組では、自分が思い描いていたようなセットで子どもたちに座ってもらい、読み聞かせをしたり、歌を歌ったり。からだを動かすと楽しく覚えられるので動きも取り入れたり。自分の子どもを見ていると、子どもは虹や風船やお菓子といったものが好きなので、それらも登場させたりと、いろいろな工夫をしました。

収録を通じて印象的だったのは、子どもって本当にスポンジみたいだなあと感じたことです。言葉も踊りも一回ですっと覚えてしまうし、子どもは視野が狭いとよく言われますが、そんなことはないんですね。絵本を見るにも、文字やそこで言及されているものだけでなく、絵のすみずみまで見て、はしっこの方の何かを見つけたり。目や耳に入ってくるものすべてを脳に吸収している様子に、本当に驚かされる日々でした。

教育への興味が高じて、今は、ヨーロッパ発祥の幼児教育も勉強しています。アメリカ在住中に学校で1年間、アカデミック面を学びまして、現在は日本の幼稚園で教育実習をしています。教育実習と言うと、2週間ぐらいのイメージがあるかもしれませんが、モンテッソーリ教育の場合は長期なので、来年の夏まで毎日、片道30分を自転車に乗って通っています。25人の園児たちは個性豊かで、かわいくて仕方がありません。

私にとっては「子ども」と「ことば」が永遠のテーマ。今後も、読み聞かせや絵本の翻訳も含め、この二つに関わるお仕事にはどんどん挑戦していきたいと思っています。

親が忙しくても子どもたちが幸せを感じる“ある工夫”とは?

親が忙しくても、子どもたちが幸福を感じるための“工夫”

フリーアナウンサー 久保純子さん

私の子どもは今、11歳と5歳。どちらも女の子です。長女はバイタリティがあって、アメリカに行ったときも英語が全然喋れなかったにもかかわらず、1ヵ月後には親友らしき存在ができていました。次女も元気な子ですが、どちらかというと次女体質というか、素直に言うことを聞くタイプで、親としてはものすごく楽です。

そういえば、最近まで主人の仕事の関係でアメリカに住んでいたのですが、現地では公文が大人気で、どんな小さな町にも教室がいくつもあって驚きました。娘も公文に通っていたのですが、現地の方々にとっては、毎日コツコツくり返し、簡単なところからステップアップしていく、というメソッドが新鮮なようでした。

子どもたちには好きな道を見つけて歩んで行ってほしいと思います。そして常に、“今ここにいるのは、いろいろな人たちに助けてもらっているからで、日々感謝しなくてはいけない”ということはいつも言っています。二人とも、すでに将来の夢は芽生えているようで、親としてはちょっと楽しみです。

今の生活は子ども中心で、ごはんも毎日作って一緒に食べています。でも、二人ともいろいろなことがわかる年齢なので、仕事で頑張らなくてはいけないときは、「今日はごめんね、これやらないといけないから時間をくれる?」と言って部屋にこもったり、酔っている姿を見せることもたまにあったり(笑)、等身大の私を見せています。

アメリカで、ひとつ素敵なことを教わったんです。子どものために時間を作るのが大変な場合、子どもとの「スペシャル・タイム」、つまり「特別な時間」を毎日の生活に組み込むといいそうです。1日1回、子どもがやりたいことを2分、あるいは母子で遊ぶのを20分など、その間だけは誰にも邪魔されない、二人だけの時間を作るのです。そうすると子どもの中には「ママは忙しいけど必ず時間をとってくれる」という満足感、幸福感が生まれる。そしてその満たされた思いがステップにつながり、もっとチャレンジしようという気持ちを起こさせるそうなんです。みなさんも、ぜひ試してみてください。

最近は「夢」をもたない、あるいは夢はあっても追い求めるのをためらってしまうお子さんが少なくないのかもしれません。子どもが夢をもつにあたっては、大人の在り方がとても大切だと思います。“大人になったらつまらなさそうだな”と思わせるのではなく、身近な大人が生き生き働いていたり、趣味に夢中だったり、チャレンジしている姿勢を見せることで、“大人になるのはものすごく楽しいことなんだ”と感じさせることが、大切なのではないでしょうか。去年、私は「マドンナになる!」と家族の前で宣言して、ダンベル体操などを一所懸命頑張りました。ある程度はムキムキになれたので、成果はあったかもしれません(笑)。

子どもたちには、なんでも挑戦してほしいですね。やってみてどうなるか、面白いかどうかは、見ているだけでは分かりません。例えばむずかしそうな算数の問題だって、「どうせわたしはできない」ではなくて、「この問題が解けたら違う一歩が踏み出せるかも」とわくわくしながら解いてみる。そんな姿勢で、何事にも、どんどんチャレンジしてみて欲しいと願っています。

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